【新日本プロレス】リコシェを倒したオスプレイがBOSJ連覇宣言 ライガーがヒロムに完敗も残り全勝を予告

高木裕美

最後のBOSJを明言しているライガーはヒロムに敗れ2連敗 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 今年でBOSJ卒業を明言している“ジュニアのレジェンド“獣神サンダー・ライガーは、現IWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロムに敗れ、早くも開幕2連敗。それでも、優勝に賭ける熱い意欲を訴えた。
 昨年の凱旋帰国後、やりたい放題のヒロムに怒り心頭のライガーは、開始早々、掌底、トペコン、場外でのブレーンバスターといきなりの猛攻。だが、ヒロムはマスクに手をかけるなど不遜な態度を崩さず。

 ライガーのケブラドーラコンヒーロ、ライガーボム、垂直落下式ブレーンバスターといった大技もカウント2でクリア。ならばとライガーは拳を握り締め、気迫のこもった掌底を狙うが、ヒロムはこれをかわすと、トラースキックからのTIME BOMBでフィニッシュを決めた。

ライガー「必ず全勝して代々木に帰ってきます」

「この後の試合、必ず全勝して代々木に帰ってきます。皆さん、最後まで応援よろしくお願いします!」と完全燃焼を誓ったライガー 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 自分の年齢よりもキャリアの長いレジェンドから勝利を挙げたヒロムだが、試合後はダメージが大きく、ロープにしがみついてようやく立ち上がると、IWGPジュニアのベルトをライガーに見せつけてから退場。
 一方、観客の大歓声を受けたライガーは「昨日、今日と負けてしまいましたが、この後の試合、必ず全勝して代々木に帰ってきます。皆さん、最後まで獣神サンダー・ライガーを応援よろしくお願いします!」と、まだ優勝の夢をあきらめていないことを訴え、完全燃焼を誓った。

ドラゴン・リーがAブロックで唯一の2連勝

 ドラゴン・リーはマーティー・スカルを破りAブロックで唯一の2連勝 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 ドラゴン・リーは人気急上昇中のマーティー・スカルを破り、Aブロックで唯一の2連勝を挙げた。
 初来日ながら開幕戦で早くも観客の心をつかんだスカルは、この日もトレードマークの傘を持って入場すると、鳥のポーズで観客にアピール。リーのマスクのヒモ部分をセカンドロープに結びつけ、身動きを取れなくしたところにキックを連発するなど、小ずるい一面も見せる。だが、前日に宿敵・ヒロムを倒し、勢いに乗るリーは、スカルの反則攻撃にもひるまず、スパニッシュフライを繰り出すと、さらにコーナーに据えてのパタラス・エネル・ペチョで快勝。混戦模様のAブロックで単独首位に躍り出た。

タイチvsTAKAは世にも奇妙な戦い

タイチvs.TAKAの鈴木軍対決は試合時間10分中、両者が接触したのはわずか10秒程度という奇妙な試合に 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 タイチとTAKAみちのくによる鈴木軍対決は、約10分の試合タイム中、両者が接触したのはわずか10秒程度という、世にも奇妙な戦いとなった。
 数々のタイトルを獲得したタッグパートナーであり、TAKAタイチとして合同興行を開催するなど、公私ともに知り尽くした両者。ゴングが鳴ってもまったく動こうとせず、ようやく互いに手を差し出しても触れそうで触れないまま、ついに5分が経過。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 タイチが場外からリングインしようとしたところ、TAKAがロープを蹴り上げて急所攻撃を見舞うと、タイチも即座にお返しするが、この時も直接の接触はなし。ついにはタイチがショートタイツに変身し、天翔十字鳳を狙おうとしたところ、勝手にヒザを痛めて自爆。だが、この状況にもTAKAは「どうせヒザなんか痛めてないだろ」と見破ると、ついにキックを繰り出すが、タイチがこの蹴り足をキャッチし、ついに2人が初めて触れ合った次の瞬間、タイチがタイチ式外道クラッチで丸め込んで3カウントを奪取。試合後はセコンドの金丸義信、エル・デスペラードと共に拳を突き合わせ、ノーサイドとなって鈴木軍の結束をアピールした。

怒りの内藤、ついにICベルトを破壊

棚橋の欠場に不満の内藤はICベルトを鉄製の階段に2度も投げつける暴挙 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 棚橋弘至が右腕負傷により今シリーズを緊急欠場。急きょ、小島聡が代理出場し、小島&ジュース・ロビンソン&田口隆祐&KUSHIDA組vs.内藤哲也&SANADA&EVIL&BUSHI組による8人タッグ戦が行われた。
 棚橋はアメリカ遠征での試合中に右腕を負傷。帰国後、都内の病院で「右上腕二頭筋腱遠位断裂」と診断され、ドクターストップがかかった。復帰は6.9後楽園大会からで、6.11大阪城ホールでのIWGPインターコンチネンタル王座戦も行われる予定だが、これに怒りをあらわにしたのが、王者・内藤だった。

 内藤自身としてはタイガーマスクWとの対戦を熱望しながら、1.4東京ドーム大会ですでに返り討ちにしている棚橋とのタイトル戦が決定したことに、以前から怒りを爆発させていた内藤だったが、その棚橋が欠場となったことで、不満がヒートアップ。元から粗末に扱っていたICベルトを、この日は足蹴にしながら入場し、さらに鉄製の階段めがけて2度も叩きつけていく。

BUSHIはBOSJ公式戦を前にKUSHIDAから3カウント奪取 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 怒りの収まらない内藤は、タグチジャパンが円陣を組む間に奇襲攻撃を仕掛けると、ジュースのドレッドヘアーをつかんで引っ張るが、直後に田口の尻攻撃のエジキに。一方、小島はEVIL、SANADAにドラゴンスクリューを決めると、エアギターまで奏で、欠場中の棚橋にメッセージを送る。混戦状況の中、BUSHIがもっか絶不調のKUSHIDAをブシロールで丸め込み、LIJが勝利を収めた。
 だが、白星にも腹の虫の収まらない内藤は、試合後もICベルトを鉄柱めがけて投げつける暴挙。衝撃で折れ曲がったベルトが、内藤の憤怒を代弁していた。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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