攻守の肝は日本が誇る“Wレフティー” U-20W杯に臨む21名を徹底紹介 MF編
今回は攻守の舵取り役となる中盤の選手たちを紹介 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
今回はそんなチームの選手個々にフォーカス。ポジションごとに全員を紹介していきつつ、代表チームの各ポジションの役割や予想される先発メンバーについても占っていきたい。第2回は中盤のポジション、攻守の舵取り役となる選手たちを紹介する。
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ボランチは得手不得手の異なる3人が選出
数々の世界大会を経験しているキャプテンの坂井(右) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
16 原輝綺(アルビレックス新潟)
17 市丸瑞希(ガンバ大阪)
センターバックを除いた各ポジションについて、内山篤監督はタイプの違う選手をそろえるという選考のコンセプトを持っているように見える。言ってみれば、「みんな違って、みんないい」とも表現できる考え方だ。中央のMF、俗に言うボランチのポジションについても、得手不得手の異なる3人が選ばれている。
キャプテンを務める坂井大将(大分)はこの年代を代表するエリート選手だ。2014年のW杯ブラジル大会では日本代表のサポートメンバーとして帯同したほか、2つ年長に当たる前回のU−19日本代表(アジア予選で敗退)では左サイドバック(SB)のレギュラーとしてプレー。また13年のU−17W杯にも出場しており、このチームにおいては、世界大会を知っている稀少な選手でもある。そうした経験値の多さが最大の強みである。
ピッチ上のリーダーであり、監督とのパイプ役も務めるキャプテンは、安定した技術と運動量で勝負するタイプのボランチ。167センチと上背に欠けるため、守備のパワー勝負となると難しいが、勘の良いポジショニングからのインターセプトも光る。守備的な選手とも攻撃的な選手とも組めるバランス感覚の良さも特長だ。所属の大分で出場機会を失っていたことが不安要素だったが、大会を前に徐々に出番を増やしての合流となったため、本人も「少しホッとしました」と手応えをつかんだ流れからの世界舞台となる。
原は今季加入したばかりのルーキーながら、新潟でボランチのレギュラーとして活躍している 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
所属チームではドイツ遠征後からチーム事情でSBに回ることになっており、本人もボランチとのプレー感覚の違いを不安要素に挙げていた点は少し気掛かりなところ。15日のホンジュラス戦(3−2)でも、判断が遅れるようなシーンが目に付いただけに、開幕までにボランチの感覚にアジャストすることが求められる。
最も「ボランチ」という言葉がしっくりくるゲームメーカータイプの市丸(左) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
中盤でボールを動かせなくなったときや、試合のテンポをスローにして落ち着かせたいときに途中交代で市丸を投入するのは、このチームの1つの形となっている。逆に先発で使う場合は、立ち上がりから明確にボールの支配率を上げたい狙いがある場合といえる。