予選無失点も、真価が問われる守備陣 U-20W杯に臨む21名を徹底紹介 GK&DF編

川端暁彦

「東京五輪世代」であるU−20日本代表。今回は大会の行方を大きく左右する守備陣にフォーカス 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 5月20日に開幕するFIFA U−20ワールドカップ(W杯)。10年ぶりのアンダーエイジ最高峰の大会に臨む内山篤監督率いるU−20日本代表は、3年後の東京五輪において「U−23」となる五輪のターゲットエイジでもある。

 今回はそんなチームの選手個々にフォーカス。ポジションごとに全員を紹介していきつつ、代表チームの各ポジションの役割や予想される先発メンバーなどについても占っていきたい。まずは後方のポジション、GK・DF陣の10名を紹介する。

“GKチーム”として世界の舞台を戦い抜く

小島はビルドアップにしっかり絡める足元の技術があり、キャッチングの安定感もある 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

1 小島亨介(早稲田大)
12 波多野豪(FC東京)
21 山口瑠伊(FCロリアン/フランス)


 5月11日から始まった合宿において、最大の注目ポイントはこのポジションにあったかもしれない。

 1次予選から最終予選にかけて、常にU−20日本代表の正GKを務めてきた小島亨介(早稲田大)が4月の関東大学リーグ開幕を前に足首を負傷。幸いにも重傷ではなかったものの、復帰のタイミングがやや遅れており、合宿も別メニュースタートとなっていたのだ。

 小島は1997年1月30日生まれ。FIFA(国際サッカー連盟)の大会は1月1日を年齢の区切りとしているため、ギリギリでターゲットエイジとなった。U−17年代から日本代表入りしてきた選手だが、名古屋グランパスU18からトップチームへの昇格は見送られ、大きな挫折を味わった過去もある。ただ、日本サッカー協会からの評価は高く、早稲田大への進学後も継続して代表チームに招かれ続け、1次予選から正GKとしての地位を譲らず、最終予選まで無失点というチームの記録に大きく貢献している。

 現代的なGKらしいビルドアップにしっかり絡める足元の技術があり、キャッチングの安定感もある。一方、あこがれの選手にはイタリアのレジェンドGKジャンルイジ・ブッフォンを挙げており、大学進学後は特に「GKとして大事なのは、何より失点しないという結果」とシュートストップに強くこだわり、技を磨いてきた。世界大会はそうした積み上げの集大成となりそうだ。心配された負傷の影響、特にキックについては本人も不安があったと言うが、15日に行われたホンジュラスとの親善試合(3−2)で実戦復帰。まだ試合勘が戻っていない部分もありそうだが、「リーダーシップが大事になる」というコーチングの部分も含めて、守護神の復活は大きい。

フランス人の父を持つ山口はその伝手をたどって高校1年のときに渡仏。以降は現地でプレーを続けている 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 第2GKについては、佐藤洋平GKコーチが、あえて序列を意識させないようにしながら、波多野豪(FC東京)と山口瑠伊(ロリアン/フランス)の両GKを競争させてきた。直前合宿での試合も小島の欠場した12日のジュビロ磐田戦には山口が先発したが、ホンジュラス戦で2番手として登場したのは波多野だった。どうしても第3GKという意識になれば、モチベーションが落ちてしまう選手もいる。2人のGKを競争させながら、小島の先発が難しい場合、あるいは大会中に負傷が再発するような緊急事態に備えることになる。

 波多野の魅力は日本人には珍しい197センチの高身長という圧倒的なポテンシャルにある。技術的には粗さもあるものの、周囲はこの1年間での成長スピードを評価している。一方、山口はフランス人の父を持ち、そのつてをたどって高校1年生の途中から渡仏して現地でプレーを続けているという異色のキャリアの持ち主。技術的に進歩したことに加えて、海外の選手のリズムや当たり、戦い方に慣れていることも代表では武器となる。「ライバルというより、GKみんなでチームとして戦い抜く」と意欲的な山口。“GKチーム”として世界舞台を戦い抜くことを目指す。

1/2ページ

著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント