歴代2位で並ぶ鳥谷と金本監督を比較 1766試合連続出場、その道のりの違い

ベースボール・タイムズ

18日の中日戦で金本監督(写真右奥)と並ぶ1766試合連続出場を果たした阪神・鳥谷 【写真は共同】

 阪神の鳥谷敬が18日の中日戦で金本知憲(現阪神監督)に並ぶ歴代2位の1766試合連続出場記録に到達した。10年以上の長い年月にわたって積み重ねてきた偉大な数字。虎の誇る2人の“鉄人”金本、鳥谷が記録した「1766試合」を比較したい。

ともに出場試合数を上回る安打を放つ

金本監督の連続試合出場期間中の打撃成績(データ提供:データスタジアム) 【ベースボール・タイムズ】

 言わずと知れた“アニキ”金本。現在は監督として手腕を振るうが、現役時代に残した功績は数知れず、連続出場期間中の成績を見ても目を見張る数字ばかりが並ぶ。殊に2005年の打率3割2分7厘、40本塁打、125打点、OPS1.044は驚異的だ。数字以外にも、日本シリーズでのアーチ連発、骨折しながらも右手一本で放ったヒットなど、数々の伝説的な活躍を見せてファンの心をガッチリとつかんだ。

鳥谷の連続試合出場期間中の打撃成績(データ提供:データスタジアム) 【ベースボール・タイムズ】

 その“アニキ”に、鳥谷が肩を並べた。昨季は打率2割3分6厘と、自身初ともいえる極度の打撃不振に苦しんだが、今季は開幕から絶好調で18日終了時点で同3割2分7厘と自らの実力を再証明。下り坂の中で達成した「1766試合」でないところにも大きな価値がある。

 両者の連続出場期間中の成績を比べると、本塁打数では金本の347本に比べて鳥谷は131本と半数以下だが、ヒット数では金本1854本、鳥谷1852本とほぼ同じ。あらためて金本のすごさを思い知るのだが、鳥谷も決して引けを取ってはいない。ともに試合数を上回るヒット数が偉大さを物語っている。

守備での“労働量”は鳥谷の方が上

鳥谷の連続試合出場期間中の守備成績(データ提供:データスタジアム) 【ベースボール・タイムズ】

 さらに、鳥谷の選手としての価値を高めているのが守備面だ。

 金本と比べて、ヒット数では互角、本塁打数では大きく水を開けられた鳥谷だが、守備成績を見ると貢献度の高さが目に付く。

金本監督の連続試合出場期間中の守備成績(データ提供:データスタジアム) 【ベースボール・タイムズ】

 1766試合の連続出場中に2516回の守備機会があった金本に対して、鳥谷は守備機会7914回と3倍以上に達する(守備成績は4月17日終了時点)。もちろん前提として外野手と内野手との違いはあるが、事実としてグラブにボールを収めた回数、奪ったアウトの数、1試合の中での運動量、内野の要としての集中力……。日々の戦いの中での“労働量”は鳥谷の方が格段に上。そこで感じる疲労感にも違いがあっただろう。

 元々、金本も走攻守三拍子そろった選手だったが、晩年は右肩痛のために満足な送球ができず、10年以降は代打のみでの出場が急激に増えた。それに対して鳥谷は類いまれな球際の強さで、黒土が映える甲子園のショートの位置で華麗なプレーを披露。15年、16年とミスが増えて衰えを指摘されたが、今季はサードにポジションを代えて再び安定したプレーを見せている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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