【週刊グランドスラム249】これが社会人野球の厳しさだ――日産自動車九州が都市対抗福岡県一次予選で涙を呑む
日産自動車九州は、春先から1点に泣いている。この悔しさを忘れず、秋の日本選手権九州最終予選に臨みたい。 【写真=古江美奈子】
熱い声援を受ける日産自動車九州は、一回戦でARC九州を相手に17安打の猛攻を見せ、9対1で快勝した。「やはり、都市対抗予選となると緊張感が違いますね。序盤、選手には硬さが見られました」とは、植山文彦監督。活動再開後の公式戦初勝利に安堵し、翌28日はJR九州との代表決定戦に臨む。
応援団のリードで、観客も熱い声援を送る。苅田町にも社会人野球の熱が戻ってきた。 【写真=古江美奈子】
7回裏には、二死から金子隼人の二塁打と死球で好機を作るも、あと1本が出ない。続く8回裏も、一死三塁から無得点。そして、9回裏にも金子、森岡の連打で一死二、三塁と攻め立てるが、またも決定打が出ずに惜敗した。
「8、9回に、最低でも同点まで追いつかなければならなかった。私の采配ミスです」と植山監督。それでも、選手たちには「次戦に向けて切り替え、頑張りましょう」と気迫のこもった声をかけた。
都市対抗予選の厳しさを思い知らされる
2試合連続アーチの三原大地をはじめ、選手たちは着実に力をつけている。 【写真=古江美奈子】
「私が在籍していた頃は、打力のあるチームでした。もう一度、強力打線を作り上げたい。そのためにも、しっかり守って攻撃に移ることが重要です。守備から崩れないチーム作りを目指しています。都市対抗をかけた負けられない試合では、互いに限界のもうひとつ上の力が発揮される。それをものにできるかどうか。日頃の練習から、自分を追い込むことも必要です。そして、どんな場面でも平常心で戦えるよう指導していきます」
応援に駆けつけた人たちは、「いい試合を見せてもらった」や「また頑張ってね」と、選手たちに声をかけながらグラウンドを後にする。苅田町には、社会人野球熱が戻ってきた。この悔しさは、秋に晴らしてもらいたい。
【取材・文=古江美奈子】
【左=紙版表紙・右=電子版表紙】
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