欧州で躍動するアヤックスの金の卵たち 魅力的なサッカーにオランダ中が歓喜
一方的に押し込んだシャルケ戦
17歳のCBながらオランダ代表にも選出されたデ・リフト(中央) 【写真:ロイター/アフロ】
アヤックスの選手はまだ若くて、試合によって出来不出来は激しいけれど、それでもコペンハーゲンを凌駕(りょうが)する戦力を誇っている――。それが今季のアヤックスである。
こうして迎えた4月13日のEL準々決勝第1レグ、シャルケ戦はコペンハーゲン戦に続いて早々にチケットは売り切れ、CLにも負けない熱い雰囲気がホームのアムステルダム・アレーナを覆った。アヤックスの若者たちは、ブンデスリーガ10位(第28節終了時点)のシャルケを相手陣内に押し込み、前半はハーフコート・フットボールを実践した。
17歳のジュスティン・クライファート(左)。今のアヤックスには金の卵がそろっている 【VI-Images via Getty Images】
シャルケがこの日、初めてシュートを放ったのは45分になってからだった。1−0で試合を折り返しロッカールームへ戻るアヤックスイレブンにスタンディングオベーションが送られた。
20年ぶりの欧州ベスト4へ「やり方は変えない」
効果的な仕掛けを見せたユネス(右)の活躍もあり、アヤックスはシャルケを2−0で破った 【VI-Images via Getty Images】
きっとシャルケはアヤックスにボールを持たせるだろうが、それでも厳しい試合になることが予想されていただけに、内容を伴って2−0で勝利したアヤックスのフットボールに対し、スタジアムは達成感のようなものに包まれた。ペーター・ボス監督は言う。
「われわれは3点目、4点を決めないといけなかった。試合内容には満足している」
『デ・テレフラーフ』紙のバレンタイン・ドゥリーセン記者は同紙のテレビチャンネルで「アヤックスにとって、オランダサッカーにとって、観客にとって、突き詰めるところ誰にとっても素晴らしい夜になった」と解説した。1週間後には敵地、ゲルゼンキルヘンでの第2レグが待っている。“たった”2−0で終わったため、シャルケが1点を先制すると、アヤックスに大きなプレッシャーがかかってくる。
しかし、アヤックスは敵地でも自らのサッカーを貫く。ボス監督は「アヤックスは今季、ずっとホームでもアウェーでも戦い方を変えてこなかった。今度の試合もやり方は変えない」と言い切った。アヤックスは96−97シーズンのCL以来、20年ぶりの欧州サッカーベスト4の舞台にリーチをかけた。