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投球回数の制限とトレーナーのベンチ入り
高校野球、次の100年への提案(1)
大阪桐蔭が優勝した今春のセンバツだが、今後に向けて課題も見えた大会だった
大阪桐蔭が優勝した今春のセンバツだが、今後に向けて課題も見えた大会だった【写真は共同】

 大阪勢対決となった履正社との決勝を制し、大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた今年のセンバツ。大会全体を通して見ると、今後の高校野球を考える上でさまざまな課題が見えた。次の100年へ向けた提案なども交えながら考えていきたい。第1回は投手の投球制限に関してと、甲子園大会限定ルールの導入について、取り上げる。

福大大濠・三浦の475球が目立つも…

 甲子園史上初となる2試合連続延長15回引き分け再試合、さらに延長14回の試合もあった。その度にクローズアップされるのが投手の球数である。しかし1試合だけに目を向けて、単純に合計数だけで測れるものなのか。まずは長い延長を戦った各投手の状況を整理してみたい。


・3月22日 1回戦 東海大市原望洋(千葉)vs.滋賀学園(滋賀)※延長14回

滋賀学園・棚原孝太 192球(14回完投)

東海大市原望洋・金久保優斗 218球(14回完投)


・3月26日 2回戦 福岡大大濠(福岡)vs.滋賀学園 ※延長15回引き分け

福岡大大濠・三浦銀二 196球(15回完投) 2試合計345球

滋賀学園・宮城滝太 96球(7回3分の1)

滋賀学園・棚原 94球(7回3分の2) 2試合計246球


・3月28日 福岡大大濠vs.滋賀学園 ※再試合

福岡大大濠・三浦 130球(9回完投) 3試合計475球

滋賀学園・宮城 36球(2回3分の2) 2試合計132球

滋賀学園・棚原 15球(1回3分の1) 3試合計261球


・3月26日 2回戦 健大高崎(群馬)vs.福井工大福井(福井)※延長15回引き分け

健大高崎・伊藤敦紀 195球(11回3分の2) 2試合計305球

福井工大福井・摺石達哉 193球(11回) 2試合計304球

福井工大福井・氏家拓海 53球(4回)


・3月28日 健大高崎vs.福井工大福井 ※再試合

健大高崎・向井義紀 170球(9回完投)

福井工大福井・氏家 52球(4回) 2試合計105球


 福岡大大濠・三浦は3試合で完投した分、他の投手より球数が多いが、3試合目となった滋賀学園との再試合では130球と球数がこれまでで一番少なかった。球は走らなかったものの考えながらの投球に徹した結果、力みが消え、四球は9回に与えた1つだけ。チームメートも「あらためて、三浦がすごい投手であることが分かった」と話している。


 3戦合計の475球が目立ってしまうが、投手が自分の投球に自信をつけることもあることを忘れてはいけない。単純に1試合の球数だけならば、他にも多い投手はいる。

野球はアウトを取らないと終わらない

 今回のように球数が多すぎると見られる投手が出た場合、必ず声が挙がるのが球数制限である。センバツと同時期に開催されていたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で球数制限を導入しているのだから、そのような声が挙がるのは仕方ない部分はある。


 しかし野球は、投手がストライクを投げられなければ、アウトを取ることができなければ永遠に終わらないスポーツだ。1試合単位で球数制限を導入したとして、ベンチ入りした選手全てが制限に達してしまった場合にどうするのか。確率はかなり低いが、起こり得る事象だ。しかも何点リードされていても、最後のアウトを取られるまでは勝てる可能性が残っているのが野球だ。そこも野球の魅力である。


 このように考えると、高校野球で1試合単位の球数を制限するのは難しい。あるいはさまざまな対策を講じた上で、最後の手段とするべきではないかと思う。

松倉雄太
松倉雄太

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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