新たな旋風を巻き起こすのは誰だ!? パ・リーグの新戦力をチェック

 徐々に暖かさを感じられる日が増え、北海道や東北地方などを除けば桜も開花しつつある。そして、出会いや別れなど、環境の変化が増える時期ではあるが、プロ野球ファンにとっては待ちに待った、非常に楽しみな季節を迎えることになる。そう、プロ野球2017年シーズンの開幕である。

 昨シーズンのパ・リーグは1990年〜92年の西武以来となる24年ぶりの3連覇へ順調に歩を進めていた福岡ソフトバンクを大逆転で下し、北海道日本ハムが10年ぶりの栄冠。最後まで手に汗握る戦いが繰り広げられた。今年も移籍や新戦力の加入があり、当然、チーム戦力にも大きな変化が生じている。そこで、ここではパ・リーグ6球団の注目の新戦力を紹介していきたい。

日本ハム:公文がオープン戦で好投

トレードで昨季の日本一チームに加わった大田(左端)と公文(右端)。中央は栗山監督 【写真は共同】

 首位と最大11.5ゲーム差、絶望的とも言える位置から見事に差し切った日本ハムも中堅手の陽岱鋼選手がFAで、2012年にMVPを獲得した吉川光夫投手がトレードで巨人に移籍するなど、今年はチーム状況が大きく変化。新戦力の活躍こそが連覇への大きなポイントとなることは間違いない。

 投手陣では、アメリカで6年間経験を積んだ村田透投手や、常時150キロを超えるパワー型サウスポーのエスコバー投手が加入。巨人からトレードで加入の公文克彦投手もオープン戦で9試合に登板し、防御率1.13と上々の投球を見せている。村田投手は3試合に登板し、1勝1敗、防御率2.70の成績。要所で際どいコースに投げ分ける制球力は“さすが”の一言。先発、中継ぎ問わずチームに大きく貢献してくれることだろう。

 野手では、巨人から移籍の大田泰示選手、ドラフト2ルーキー・石井一成選手の加入が大きい。大田選手は潜在能力を高く評価されながらも、これまでは期待を上回る活躍を見せることができず。ただ、環境や指導者が変わることで一気に才能開花という可能性も十分だ。そして石井一選手はオープン戦でホームランを放つなど、安定感のある守備力だけでなく打撃でも存在感を見せ付けている。昨年、ショートのポジションは中島卓也選手が全143試合に出場するなど相手となる壁は高いが、その牙城を崩すことができるか。

楽天:FAで岸が加入

FAで西武から楽天へ移籍した岸。インフルエンザの影響で開幕投手は逃したが、先発の柱として期待がかかる 【写真は共同】

 昨シーズン、チームで唯一2ケタ勝利の則本昂大投手に続く先発が不可欠の東北楽天に、プロ10年間で2ケタ勝利7度と実績十分の岸孝之投手がFAで加入。さらに、最速152キロのストレートを武器に昨夏の甲子園を沸かせた藤平尚真投手(横浜高)がドラフト1位で入団。田中将大投手がメジャーリーグへ移籍して以降、長年の課題でもあった先発投手の整備が急ピッチで進みそうだ。

 さらに、細川亨選手(元ソフトバンク)や久保裕也投手(元横浜DeNA)、小山雄輝投手(元巨人)が加わるなど、経験豊富な選手の加入によってチームにもたらされる効果は大きいはずだ。13年以来、4年ぶりのAクラス入り、そして一気のリーグ制覇も十分望める戦力補強であったと言えるだろう。

西武:ルーキーの源田に期待

ショートのレギュラーを狙うルーキー・源田 【写真は共同】

 両リーグワーストの101失策と守備面の課題が浮き彫りとなった埼玉西武。今季から指揮を執る辻発彦監督も守備面の強化を目標に掲げ、春季キャンプでも守備力向上に努めた。そんな中、未だに固定できていないショートのレギュラー候補としてトヨタ自動車から源田壮亮選手が入団。背番号「6」が物語っているように球団からの期待は大きく、オープン戦では打率3割をマーク。注目の守備でも、好判断や素晴らしい反応で打球をさばくシーンが数多く見られた。

 それ以外にもドラフトで今井達也投手や鈴木将平選手らを指名。今井投手はキャンプ途中で無念の離脱となってしまったが、高橋光成投手が1年目から5勝を挙げる活躍を見せた西武ということもあり、いきなり活躍の場面が見られるかもしれない。また、鈴木選手はファーム公式戦に出場し、高卒ルーキーらしからぬバットコントロールでヒットを放つなど期待に違わぬ活躍を見せている。

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