新たな旋風を巻き起こすのは誰だ!? パ・リーグの新戦力をチェック

ロッテ:佐々木らの活躍でオープン戦首位

ドラフト1位右腕・佐々木は開幕ローテーション入りを勝ち取った 【写真は共同】

 オープン戦首位と絶好調の千葉ロッテ。チーム防御率は1.46と、仕上がりは文句なしである。その好調の要因を探ってみると、新加入選手の活躍が大きく関わっている。そのうちの一人、ドラフト1位ルーキー・佐々木千隼投手が4試合、15回1/3、3失点(自責点1)、防御率0.59と好内容。被安打15はやや気になるところであるが、要所を締めてきっちり試合を作っている。

 同じくルーキーの有吉優樹投手の活躍も目立つ。オープン戦で7試合に登板し、6回2/3、無失点。鋭く曲がり落ちるスライダーに加え、力強いストレートで相手打者を翻弄(ほんろう)する完成度の高い投球を披露している。救援陣の安定感はリーグ屈指だが、また一枚力強い右腕が加わろうとしている。

 もう一つの要因として、新外国人のパラデス選手、ダフィー選手の活躍が挙げられる。主砲・デスパイネ選手の移籍で長距離砲の不在が不安視されていたが、オープン戦での活躍を見る限り、その不安は杞憂に終わりそうだ。ともにオープン戦の打率は3割前後をマーク、ダフィー選手に至っては12球団トップタイの4本塁打を放っている。今年も安定した活躍が見込める角中勝也選手や鈴木大地選手らと強力打線を形成し、2010年以来の日本一を目指す。

オリックス:左腕コークの安定感に期待

メジャーで407試合登板の実績を持つコーク 【写真は共同】

 1996年から遠ざかっているリーグ制覇を目指すべく、浮上のきっかけとなりそうな戦力が多数加入したオリックス。新人では、山岡泰輔投手の評価が急上昇中。オープン戦で2試合に登板し、11回1/3を3失点(自責点2)、防御率1.59と好投した。走者を背負いながらも冷静に対峙して打ち取る姿は、「将来のエース候補」としての素質を感じさせた。

 中継ぎでは、黒木優太投手や澤田圭佑投手もアピールを続けている。両者ともオープン戦では無失点。平野佳寿投手や塚原頌平投手、佐藤達也投手の負担をどれだけ軽減できるか、新人両右腕のシーズン中の活躍にかかっている。

 また、新外国人・コーク投手も注目すべき存在だ。メジャーリーグでの実績は十分で、オープン戦でも圧巻の投球を見せている。3月25日の阪神戦では、7回1失点と好投し、オープン戦の防御率は0.96。18回2/3で与えた四球はわずかに3つと制球力の高さからも自滅は考えにくく、チームの浮上に大きく貢献してくれるだろう。

ソフトバンク:デスパ加入で打線に厚み

WBCでもキューバ代表として活躍したデスパイネはヤフオクドームとの相性抜群 【写真は共同】

 昨季は中盤まで3連覇へ向けて首位をひた走りながらも、大逆転で悔しいV逸を喫した福岡ソフトバンク。田中正義投手を5球団競合の末に獲得し、即戦力投手の補強にも成功したが、今年はさらなる強力打線を形成すべく、強打者2人の補強を敢行した。

 1人目は、日本での実績も十分で、WBCでも特大弾を放つなど、今季もまず間違いなく大活躍を果たしてくれるであろうデスパイネ選手。昨年は全24本塁打中、ヤフオクドームで8本塁打をかっ飛ばすなど、今季は得意の舞台が本拠地となる。さらに本塁打数を伸ばし、ソフトバンクの首位奪還に貢献したい。

 もう1人、3Aで通算89本塁打を記録したパワーヒッターのジェンセン選手が加入。日本球界に対応できるかどうかが焦点となるが、キャンプ中には積極的にファンサービスを行い、必死になじもうとする努力が見られた。ジェンセン選手がファーストに固定できるほどの活躍を見せられれば、おのずとチームは優勝争いに加わるはずだ。

 新天地への移籍で、心機一転これまで以上の活躍を見せる選手も多数いる。だが、裏を返せば、新しい環境になじむことができなければ活躍の道が閉ざされてしまうことにもなる。しかしその困難を乗り越えてこそプロであり、ファンは活躍を期待する。今年も昨年同様に白熱のペナントレースが繰り広げられるか、新戦力を中心に注目していきたい。

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