NCAAの夢舞台に足跡を刻んだ八村塁 3ポイントで初得点、ゴンザガ大は4強へ
ゴンザガ大1年目での夢舞台
ゴンザガ大の八村は、NCAAトーナメントのゼイビア大戦で初得点を記録。チームも勝利し日本人初のファイナル4進出を決めた 【Getty Images】
ほどなくして試合終了のブザーが鳴った。25日(現地時間、以下同)にゼイビア大を83−59で下したゴンザガ大が同校の歴史で初めてNCAAトーナメント・ファイナル4への切符を手にした瞬間だった。
ベンチにいた選手たちやコーチ陣もなだれ込み、コート上で盛大なセレブレーションが始まった。その輪の中には当然、その3ポイントを決めた男、八村もいた。昨秋、ゴンザガ大へ入学し1年目のシーズンでいきなりの快挙。日本国籍を持つ選手としては初めて大学バスケットボール全米一を決めるNCAAトーナメントに出場し、ファイナル4という夢舞台にまで進んだのだから恐れ入る。
ゴンザガ大はヘッドコーチのマーク・フュー指揮のもと年々力をつけ、今年で19年連続でNCAAトーナメントに出場し全国的にバスケットボールで広く名を知られる存在となっていたが、一方で同トーナメントでは8強の壁を越えられなかった。しかし今季は終盤まで全勝街道を走り続けるなど快進撃を続け、そして今回のNCAAトーナメントでも晴れて初のファイナル4進出を決めた。
米国でも見せるメンタルの強さ
全米中が注目するNCAAトーナメントで快進撃を続けるゴンザガ大(白)。1年目の八村の出番は少ないが要所で輝きは見せている 【Getty Images】
ウインターカップ3連覇を達成した明成高校時代から試合終盤の大事なところでの強さは際立っていたが、米国に来て1年目で、しかもこのような大舞台でタフなショットを決めてしまうのだから、驚くばかりだ。
いずれにしても、その3ポイントがこのNCAAトーナメントでの待望の初得点となった。1回戦ではわずか1分の出場。2回戦に至っては出場機会がゼロだった。ベスト16の対ウェストバージニア大戦では味方のファウルトラブルで思わず前半から出番が巡ってきて計4分間の出場となり、ディフェンスリバウンドを1本記録したものの、得点はなし。この試合の後には「日本のみなさんも応援してくれていますし、僕は得点を取るのも自分の持ち味のひとつなので身体能力を生かしていけたらいいなと思います」と話していたが、ファイナル4進出が懸かる大一番の最後でその瞬間が来た。