【新日本プロレス】棚橋に悪夢 EVILの毒霧攻撃でNJC1回戦敗退「今、これがオレの時代だ」と世代交代を宣言

高木裕美

EVILの毒霧攻撃でNJC1回戦で姿を消した棚橋。勝ったEVILは世代交代を宣言 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 新日本プロレスの“春の最強決定トーナメント”「NEW JAPAN CUP 2017」が11日、愛知・愛知県体育館で開幕し、満員となる4515人を動員。この日は1回戦4試合が行われた結果、13日の福井産業展示館では永田裕志vs.EVIL、14日の滋賀県立文化産業交流会館ではバッドラック・ファレvs.矢野通による2回戦が行われることが決定した。

エース・棚橋が1回戦で姿を消す波乱

入場時から花道に駆けつけたファンとタッチをかわし、エアギターをかき鳴らしていた棚橋だったが… 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 メインイベントでは、復活を目指すエース・棚橋弘至がEVILに敗れる大波乱。第1回(05年)&第4回(08年)覇者であり、昨年まで6年連続1.4東京ドーム大会のメインイベンターを務めた“新日本の顔”が1回戦で姿を消した。

“EVILホームラン”がクリーンヒット

フルスイングの“EVILホームラン”がクリーンヒット 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 これまでもNEVER6人タッグ王座戦など、幾多の抗争を繰り広げてきた両者。シングル初対決を前に、前哨戦や記者会見で挑発行為を繰り返してきたEVILは、開始5分、棚橋の首にパイプイスを引っ掛け、もう1つのイスでフルスイングする“EVILホームラン”を発射。

場外へ捨て身のハイフライアタックも敢行したが 【写真:SHUHEI YOKOTA】

EVIL秘策の毒霧が顔面に直撃!

EVILがまさかの毒霧噴射 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 棚橋は首に大ダメージを負いながらも、場外へ捨て身のハイフライアタックを見舞うと、さらにはEVILのパイプイスを使ったツイストアンドシャウトなどのラフファイトまで見せるが、ハイフライフローをヒザ剣山でブロックされ、万事休す。EVILのダークネスフォールズを食らいながらも、驚異の粘りを見せたものの、EVIL秘策の毒霧攻撃からのEVILで、ついに3カウントとなった。

EVIL絶叫「棚橋弘至の魂よ、安らかに眠れ」

EVILで完ぺき3カウント 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 試合後、自らマイクを要求したEVILは「これが真実の悪夢だ。棚橋弘至の魂よ、安らかに眠れ。THIS IS EVIL。EVERYTHING IS EVIL。すべてはEVILだ!」と絶叫し、ライトでまばゆく照らされた花道を引き揚げると、「棚橋、ナメんじゃねえぞ。今、これがオレの時代だ」と世代交代を宣言。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 一方、敗れた棚橋は、顔面を毒霧で真っ黒に染め、両肩をセコンドに担がれて、闇の中へと消えていった。

ファレがエルガンとの外国人対決を制す

エルガンとファレによる外国人対決は、激しい肉弾戦の末にファレが勝利 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 マイケル・エルガンvs.バッドラック・ファレによる外国人対決は、激しい肉弾戦の末にファレが勝利。昨年のNJC2回戦のリベンジを果たした。
 開始早々、両者はタックルでぶつかり合うと、ファレが場外で鉄柵攻撃を見舞い、痛めた腰へ踏みつけ攻撃。これで武器となる機動力を失ったエルガンに、なおもサモアンドロップ。エルガンもエルボー、ラリアットで食い下がるが、ファレがジャンピングボディープレス、スピアー、グラネードでフィニッシュ。14年の第10回大会では中邑真輔に敗れ準優勝に終わったファレが、06年のジャイアント・バーナード以来11年ぶり2度目となる外国人王者誕生へ大きな一歩を踏み出した。

矢野がタマ・トンガに秒殺勝利

矢野は金的攻撃でタマ・トンガに秒殺勝利 【写真:SHUHEI YOKOTA】

“クセ者”矢野通は、タマ・トンガを破り1回戦を突破。「負けたら終わり」のトーナメントで、2回戦以降も台風の目となりそうだ。
 IWGPタッグ王座をめぐり、矢野に恨みのあるトンガは、コールを待たずに奇襲攻撃。矢野が宣伝用に持参したDVDを矢野に叩きつけ、客席に投げ捨ててしまう。貴重な収入源を奪われた矢野だが、怒りよりも恐怖心が先行。「怖い」とつぶやきながらも「ブレイク」連呼、コーナマットはがし、YTRポーズという恒例のムーブをたたみかけると、一度は急所蹴りをスカされながらも、海野レフェリーを利用して金的攻撃。すかさず横入り式エビ固めで3カウントを奪い、これでもかとばかりのドヤ顔を見せた。

永田が3度目Vへ2回戦進出

負傷欠場となった本間の代打として参戦した永田が2回戦進出 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 48歳の永田裕志はタンガ・ロアを撃破。第3回(07年)、第7回(11年)に続く3度目Vへ望みをつないだ。
 永田は負傷欠場となった本間朋晃の代打として参戦が決定。これが新日本マットでの初シングルマッチとなるタンガのナチュラルなパワーに序盤は苦戦を強いられながらも、10分過ぎに白目式腕固めで流れを引き寄せると、串刺しハイキック、ブレーンバスター、延髄斬りからバックドロップで勝利。“第三世代代表”として、まだまだトップ戦線に食らいつくという意地をアピールした。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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