井上尚弥が見るローマン・ゴンサレス「イメージ通り、全部が強かった」

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現地時間18日に行われるロマゴンの初防衛戦でゲスト解説を行う井上尚弥にインタビュー 【スポーツナビ】

 プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)の2017年が始動した。昨年末には河野公平(ワタナベ)と対峙し、6ラウンドTKO勝ちを収め、同王座4度目の防衛に成功。また、プロでの戦績を12戦全勝(10KO)無敗と伸ばし、さらなる成長を続けている。

 そんな井上に期待されているのが、WBC同級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)とのビッグマッチだ。昨年9月、“ロマゴン(ゴンサレスの愛称)”はスーパーフライ級に階級を上げると、当時の王者カルロス・クアドラス(メキシコ)に判定ながら勝利し、見事4階級制覇を達成。通算成績を46戦全勝(38KO)無敗とし、階級を超えて最強は誰なのかを決めるランキング「パウンド・フォー・パウンド」で長く頂点に立っているその実力を示した。

 そのロマゴンが3月18日(現地時間)に米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで元王者のシーサケット・ソールビンサイ(タイ)を迎えて初防衛戦を行う。クアドラスとのタイトルマッチでは判定まで持ち込まれたが、新王者にとってはその真価を見せ付けるための戦いとなる。

 この試合を放送する「WOWOWエキサイトマッチ」に、井上がゲスト解説として登場。ロマゴンについて井上がどんなことを語るのか。ゲスト解説が決まった井上に話を聞いた。

いつも通りのスケジュールで始動

――2017年も2カ月が過ぎました。年末30日の試合を終えられてからはどのように過ごされましたか?

 1月の間に軽く練習も始めましたが、ゆっくりしていました。2月に入ってからはしっかり走り込みもはじめ、(熱海での)合宿も行いました。

――試合の疲労はもう抜けている?

 疲労はそれほどありませんでしたが、年末に限らず、試合に対するプレッシャーなどで、精神的な疲れもあるので、時間をかけてゆっくり休んでいます。どの試合に向けても、たくさん考えることがあるので、それをリセットするようにしています。

――毎年年末の試合を終えてからは同じようなタイムスケジュールで過ごしているのですか?

 そうですね。今年もあまり変わりはありません。

応援する方の期待に応えることがモチベーション

昨年9月に実際に見たロマゴンは「イメージ通り、強かった」と語る井上。ただ期待されるロマゴン戦に向けては「自分のやれる練習をしていくだけ」と話す 【スポーツナビ】

――今回、ロマゴン選手の初防衛戦のゲスト解説を務めることになりました。ロマゴン選手が昨年9月に王座奪取した試合は、現地で観戦されていましたが、実際に試合を見ていかがでしたか?

 特に大きく異なるところはありませんでした。イメージ通りで、強かったです。

――ロマゴン選手の強さというのはどんなところですか?

 全部が強いです。パワーもありますし、体幹の強さもありますし、頭もいいと思います。

――試合後、現地で直接ロマゴン選手とも話されたと思いますが、その時の印象は?

 基本的に、あれぐらい強い選手はすごく人当たりがいいですよね(笑)。

――以前、ロマゴン選手が来日された時に「(井上選手との試合を)いつでも、何度でも、どこででもやる」とコメントしていました。そういう言葉を聞いて井上選手としてはどんな気持ちですか?

 自分は常にマイペースでいるので、そういうライバル心をギラギラ出すタイプではないです。普通に、自分のやれる練習をしていくだけです。

――ボクシングファンからは井上選手とロマゴン戦とのビッグマッチが熱望されていますが、その期待に応えたいという気持ちは?

 ファンの方が見たいという試合はやりたいですね。昔から、応援してくれる方たちの期待に応えることが、モチベーションの大きな部分を占めていますので。

――チャンピオンベルトを取ったり、ロマゴン選手のようにパウンド・フォー・パウンドで1位になるなど、そういうことへのモチベーションは?

 そういう思いはあまりないですけれども、選手として、試合の中で応援してくれる方たちに強さを示していきたいなと思っています。

いい形で今年1年を締めくくりたい

――今回はテレビでゲスト解説をすることになりますが、それに向けてロマゴン選手の試合を見直したりしますか?

 時間があれば見ます。

――試合の中でどんなところに注目しますか?

 全体的に見て、普通にボクシングを楽しみます。

――ボクシングを見て楽しむということですが、昨年などの試合で印象に残った選手はいますか?

 いっぱいいますね。(最近だと)ワシル・ロマチェンコ選手(WBO世界スーパーフェザー級王者/ウクライナ)の試合とか。結構見てます。

――解説ではどんなことをコメントしていきたいですか?

 見るままに気になったことを解説したいです。


――それでは最後に今年の意気込みをお願いします。

 自分としてはこの1年、この階級(スーパーフライ級)でやっていきたいと思っています。どの団体で試合をやるにしても、いい形で今年1年を終わらせたいと思います。

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
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