バルセロナに見られるプレーモデルの欠如 張り詰めた空気に包まれたカンプノウ
レガネス戦後、選手や監督にはブーイングが
今季のリーガでは最低の観客動員数(6万3378人)にとどまったこの日、カンプノウは終始張り詰めた空気に包まれていた。
アンドレ・ゴメスがピッチを去る際には厳しいブーイングが浴びせられた。ゴール裏の応援団がルイス・エンリケをたたえるコールを発すると、その声はその他の観衆による口笛でかき消された。試合後ルイス・エンリケは「自分へのブーイングについては理解できる」と話していたが、この試合で好守を連発したマルク・アンドレ・テアシュテーゲンは「理解できない。ファンはチームを後押しするべきだ」と異なる意見を口にしている。
何よりこの日のバルセロナを象徴していたのは、2位の座を死守した重要な決勝点を決めたにもかかわらず、メッシが表情ひとつ変えなかったことだ。
あらためてここに記しておく。今のバルセロナにはクラブの歴史にふさわしいレベルの選手が15人ほどしかいない。最終ラインでは2人のゴールキーパーと4人のセンターバック、ジョルディ・アルバ。セルジ・ロベルトは本職のMFとして数え、他に中盤ではセルヒオ・ブスケッツとアンドレス・イニエスタ、そして現在は本調子とは程遠い状態にあるイバン・ラキティッチ。前線ではアルダ・トゥランとメッシ、ネイマール、ルイス・スアレスの南米人トリオだ。
彼ら以外はみな、執行部が判断を誤って補強した選手たちばかり。クラブはアレクシス・サンチェスやチアゴ・アルカンタラを筆頭に、選手の放出においても間違った決断を下してきた。
しかしながら、最も深刻な問題は先にも触れたプレーモデルの欠如にある。エクセレントな選手を何人擁していようと、チームとしてベースとなるプレーモデルを構築せぬまま勝ち続けることは不可能だからだ。
ルイス・エンリケ体制が終わりを迎える?
つまりは、現在のルイス・エンリケ体制が終わりを迎えたということなのだ。この2シーズン半、彼は経験豊富なスター選手たちをうまくまとめてきたものの、チームとして個々のタレント以上のパフォーマンスを引き出すことはできなかった。
既存の選手たちはモチベーションを新たにし、チームとして数年前のプレーレベルを取り戻さなければならない。そのためにはルイス・エンリケとは異なるタイプの、異なる戦術やモチベート方法を用いる監督が必要になる。右サイドの補強も必須だ。またどれだけ飛び抜けた存在だとしても数人の選手に全てを依存することなく、誰が出ても質の高いプレーができるよう、バックアップメンバーを充実させることも重要だ。
相手ゴール前から仕掛けるプレッシングの機能性まで失いつつある現在のバルセロナは、もう数年前から力を失い続けてきた。おそらく彼らは、今季の自分たちがこれ以上の力を出すことができないと自覚しているのではないだろうか。
カンプノウのスタンドに座る人々は、こうしたチームの現状を全て察知している。選手たちの精神状態はピッチからスタンドへと伝わるものであり、バルセロナのそれはあまりにも顕著に見て取れるのだから。
(翻訳:工藤拓)