天龍源一郎が語る「LIVE FOR TODAY」 格闘技人生の中で結実した人生訓
現在公開中のドキュメンタリー映画『LIVE FOR TODAY』について天龍さんにインタビュー 【スポーツナビ】
映画の公開にあたり、舞台あいさつで各地を回っている天龍さんに、今回の作品についての話を聞いた。
今は家でまったりする時間が贅沢に感じる
引退後は「家でまったりする時間が贅沢に感じる」と話す天龍さん 【スポーツナビ】
そうですね。なんか“仕事してる”っていう感じがします(笑)。
――映画は引退までの10カ月を追った作品でしたが、改めてプロレスラーの日常は「旅をして全国を回るものなのだ」ということを思わされました。
地方へ行ってお客が入って、それで何がしかの糧を得るっていうのを職業、生業としていますから、旅に出るのが普通のような感じです。この10カ月はたまたまいい感じで、あちこちのコース取りができて、本当に沖縄から北海道まで回れましたから、全国網羅できたっていう感じでよかったですね。
最近は旅がなくて興行も東京近辺ばっかりに集中していたから、昔はいろいろな旅があったなって懐かしい思いもありました。(天龍プロジェクトの)代表をやっている娘から聞いたんですけど、最近でこんなにたくさん詰めて試合をやったのは何年ぶりですって言っていました。
――279日、全22戦という連戦は大変だったのではないですか?
大変っていうより、「もうこれで区切りがつく」っていう感慨深い気持ちの方が強かったですね。「ここで2度とプロレスができることはないんだな」っていう風に思って、1戦1戦が終わっていった感じです。僕はプロレスの前に相撲でも回ってましたから、「あぁ、誰々とここで戦ったな」とか「プロレスで来たな」っていう2つがダブルで来て、感慨深いものがありました。相撲とプロレスには本当にいろいろな体験をさせてもらいました。
――引退して時間ができて、試合で訪れた思い出の地へまた行ってみたいと思うことはないですか?
いや、もう全然思わないですね。今は逆に時間が空いて、家にいてまったりしているのが贅沢だなと思います。前は朝早く起きて新幹線に乗らなきゃいけない、バスが待ってるとかずっと追われるような生活でしたから。それがなくなった分、自分の時間があるっていうのが贅沢な感じですね。寝たい時に寝て、起きて、お腹が空いたら食べたい時に食べる。そうやって家でまったりしているのが1番好きです。(ジャイアント)馬場さんも、どこかへ行くと「あ、馬場だ」と言われるから、それが嫌で家にいるとか、ホテルのロビーで葉巻を吸ってコーヒーを飲んでる時が1番好きだって言っていたんですけど、それがよく分かります。