“演出”もプロレスの魅力の1つです 東京03豊本のプロレスあれこれ(7)
“まさかの特訓”で演出する永田選手
永田選手の“特訓”には意外なものも多いです。白目も特訓の成果!? 【写真:SHUHEI YOKOTA】
初代タイガーマスクも会社から「マスクを被れ」と言われて被って試合をしたのが始まりです。もちろん選手自体のポテンシャルを見ての会社の判断でしょうし、本人のプロデュース力とそれを表現できる身体能力もあってなんですけど。これもある種、演出ではないでしょうか。
それにより空前の“タイガーマスク・ブーム”が起きるわけですから、個々の選手にも演出は大事。
試合に向けての特訓も演出の1つにする選手もいます。
大事な試合に負けたくないから別の格闘技の道場に行き、新しい技術を学ぶ。これは本人の技術向上はもちろんのこと、ファンからすると、試合でどういう風にその技術が見れるのかという試合を楽しむポイントにもなります。選手にとってもファンにとっても良いものです。
新日本プロレスの永田裕志選手は、大一番に向けて、ダンス特訓であったり、ラーメン屋修行特訓であったり、フラフープ特訓であったり、様々な特訓をやってきています。いろいろな特訓をやりすぎたのか、あげくアナウンス特訓や、ハナ肇さんを彷彿とさせる“銅像特訓”であったり、もはや試合に関係あるのか分からないとこまで来ていますけど、ご本人は大真面目にやっていますし、それにより何か変わった姿が試合で見れるのではないかとファンの方は注目してしまいます。
まんまと永田選手の演出に乗せられてしまっていますね。
ももクロ演出家がプロレスを手掛ける!?
DNAの新しい船出が近づいていますが、鈴木大選手が気がかりで…… 【写真:前島康人】
そんな中で最近、DDTの別ブランド、DNAという若手中心の団体の記者会見で、アイドルグループのももいろクローバーZの演出をしてる佐々木敦規さんがDNAの大会の演出も手掛けるというニュース。
佐々木さんには仕事でも結構お世話になってまして、ももクロの番組をはじめ、佐々木さんが手掛けている番組にちょこちょこ呼んでいただいたり、僕たちのライブで流す映像をお願いしたこともあります。
それこそ“とんねるずのみなさんのおかげでした”でインディー選手の顔写真だけで、名前と必殺技を当てるという企画をやらせてくれたのも佐々木さんです。
そんな佐々木さんは、ももいろクローバーZというアイドルにプロレス的要素を落とし込むという演出でお客さんを楽しませていきました。今回はプロレス自体の演出となるわけですが、プロレスにプロレスを落とし込む事は佐々木さんでなくてもできるでしょうし、プロレス的なアイデアを出されても、それは今までプロレス界が試行錯誤の中にあったやつですよ? あって失敗したやつですよ? とかになってしまうと思います。
まぁ、佐々木さんの事ですから、DNAに違うものを落とし込んでくると思いますし、何より、プロレスに愛情あるというのがデカイです。
そして、現段階でDNAは団体の歴史も浅く、所属する選手は全員30歳以下です。団体のカラー、選手のキャラクター、すべてがどんな色にも染まれる可能性があります。若干、鈴木大選手だけが心配ですけど……。
とにかく、選手の成長、キャラクターの確立、そして演出の効果、それらが合致してこそ佐々木さんの演出の成功と僕は思っています。2月23日新宿FACEで第一段の興行がありますが、そこで見たものすべてというより、長期的にDNAを見ていきたいと思っています。
でも、鈴木大選手がなぁ……。