センバツ出場32校を決めるポイント 履正社の神宮制覇で近畿7枠の行方は!?

松倉雄太

早慶アベック出場はなるか!?

早稲田実は都大会決勝で実力校・日大三に苦しみながらもサヨナラ勝ち。写真はサヨナラ2ランを放った早稲田実・野村 【写真は共同】

 関東4校と東京1校を基数とし、残り1校を両地区で比較する。昨秋の関東大会優勝の作新学院高(栃木1位)をはじめ4強に進出した東海大市原望洋高(千葉1位)、前橋育英高(群馬1位)、健大高崎高(群馬2位)、東京大会優勝の早稲田実は確定的。

 東京の2校目は準優勝の日大三高が候補に挙がる。決勝では逆転サヨナラ負けを喫したが、左腕・櫻井周斗が清宮幸太郎から5三振を奪うなど、早稲田実を苦しめた。関東大会ベスト8は山梨学院高(山梨1位)、慶応義塾高(神奈川1位)、横浜高(神奈川2位)、中央学院高(千葉2位)の4校。この中から県1位、関東準々決勝のサヨナラ負けの成績から慶応義塾高が浮上する。好右腕と評判のエース・森田晃介の存在と、関東1回戦で花咲徳栄高(埼玉2位)に9対1、7回コールドと快勝、さらに早稲田実との『早慶アベック出場』の話題性も後押しする材料だ。

 ともにサヨナラ負け、さらに好投手を擁する共通点を持つ日大三高と慶応義塾高。比較は非常に難しいと言えるだろう。群馬勢が2校とも準決勝敗退で、県2位で作新学院高に1対5と完敗だった健大高崎高が5番目に回り、日大三高との比較になるとの声も秋が終わった際に聞かれた。そうなれば関東ベスト4は出場確実というこれまでの常識を覆すことにもなる。

 ラスト1校の選出。どこを結論の終着点とするかが見どころだ。

選出されれば市呉は初出場

昨年、春夏連続出場を果たした創志学園高に吉報は届くのか!? 【写真は共同】

 中国・四国地区はそれぞれ2or3枠。例年通りラスト1枠が両地区での比較となる。

 中国大会優勝の宇部鴻城高(山口1位)と四国大会優勝の明徳義塾高(高知2位)は出場確実。決勝で敗れた2校はともに大敗だったが、市呉高(広島3位)が初出場、帝京五高(愛媛2位)は48年ぶりの出場という話題性もあり、準決勝敗退勢が上回る可能性は少ないと見る。ラスト1枠の最初のポイントになるのは、準決勝敗退の2校のうちどちらが3番目として比較の土俵に上がるか。

以下は中国大会の結果

・創志学園高(岡山3位)
1回戦 5対0 益田東高(島根1位)
準々決勝 9対3 関西高(岡山1位)
準決勝 2対3 宇部鴻城高

鳥取城北高(鳥取1位)
1回戦 5対3 立正大淞南高(島根2位)
準々決勝 3対0 米子松蔭高(鳥取3位)
準決勝 3対6 市呉高

 中国地区は優勝した宇部鴻城高に1点差惜敗の創志学園高に分がありそうだ。公式戦では鳥取城北高の1敗に対して創志学園高は3敗しているのが気になるが、全て1点差だった。鳥取城北高は市呉高相手に0対6から終盤3点差まで追い上げた点がどう評価されるか。

四国2校目は英明に有利!?

以下は四国大会の結果

・英明高(香川3位)
1回戦 7対3 鳴門渦潮高(徳島2位)
準々決勝 7対5(延長13回) 中村高(高知1位)
準決勝 3対5 帝京五高

・済美高(愛媛3位)
1回戦 4対1 坂出高(香川2位)
準々決勝 8対0(7回コールド) 生光学園高(徳島1位)
準決勝 2対10(8回コールド) 明徳義塾高

 四国地区の2校はともに県3位。四国大会の結果だけで判断すると英明高に分があるように思える。中村高が21世紀枠で選ばれず、一般枠の選考で回ってきたとしても、直接対決で勝利した点は評価されるだろう。済美高はコールドで敗れた明徳義塾高戦がわずか1安打だった点が苦しい材料となりそう。

 最後のポイントは両地区の3校目の比較。関東・東京と同様、異なる大会を比較するため選考は難しい作業。投攻守に渡って詳細に分析されることになる。ただ、昨秋は中国大会と四国大会の日程が1週間ずれ、物理的に選考委員の多くが両地区の準決勝以降に足を運ぶことができた。球場で生視察したことによる“眼”でどう判断するかに注目したい。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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