豪雪の白馬でフリーライドの世界大会 楠泰輔が日本人初のFWT招待選手に

後藤陽一&宮田誠

白馬開催で見えたものとは!?

さまざまなハードルを乗り越え、大会開催にこぎつけた。その資産は今後も残っていくことだろう 【@freerideworldtour / Jason Halayko】

「Freeride Hakuba」の開催に際しては、スイスのFWT本部チーム(山岳ガイド、撮影チームなど)と、白馬村観光局を中心とした日本チーム(スキー場、リフト会社、スキーパトロール、スキースクール、山岳ガイド、観光協会など)が連携し、約3年という長い時間をかけて準備してきた。

 幾重にも重なる日本固有の規制、北アルプスの読みづらい天候、日本語・英語・フランス語で行われるコミュニケーションの壁などさまざまなハードルを乗り越え、実現にこぎつけた。今まではあまり交わることのなかったさまざまな国籍・専門性を持つプロフェッショナルたちが協働する姿も、この大会が残した大きな資産の一つであろう。また、主に東京から集結した50人を超えるボランティアスタッフが会場設営、通訳、選手管理などで文字通りこの大会の屋台骨を支えた。

 1998年の長野五輪をピークにスキー人口は最盛期の3分の1に減った。一方で、ここ4〜5年のインバウンド、バックカントリーのトレンドは確実に大きくなっており、500近く存在する日本のスキーリゾートもビジネスモデルの転換が求められている。

「Freeride Hakuba」では、100年以上という長いウインタースポーツの歴史を持つ日本の山が、この新しいスポーツにおいても高い実力を秘めていることがあらためて世界に証明された。海外で“JAPOW”と呼ばれる日本のパウダースノーで育った日本人選手が、世界の山を舞台に活躍する日も近いかもしれない。

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