スノーボードの“アイコン”も出場 白馬でフリーライド世界大会が開催

後藤陽一&宮田誠

人気急上昇中の「フリーライド」

フリーライドスキー・スノーボードは人気が急上昇中。白馬ではアジアで初となる世界大会が行われる 【写真提供:goat jun yamagishi】

 1月13日から18日にかけて長野県白馬村で行われる「Freeride Hakuba」は今シーズン、注目を集めているウインタースポーツのイベントだ。アルペン、ハーフパイプ・モーグルなどのフリースタイル、デモ、スロープスタイル……。スキーとスノーボードの競技にはさまざまな種目があるが、近年は「フリーライド」の人気が急上昇している。自然のままの斜面を滑り、管理・圧雪されたスキー場にはない地形やパウダースノーを楽しむスタイルである。

 フリーライドの競技は、自然の斜面ならではの複雑な地形を安定して滑る技術や、「クリフ」と呼ばれる段差から踏み切るジャンプの難易度を採点して順位を決める。そしてそのフリーライドの世界一を決定する世界最大のツアーが、「Freeride World Tour(FWT)」だ。自然の中を滑る、スキーの原点とも言えるこのイベントを、スキー伝来から100年の歴史をもつ白馬に誘致しようと、地元の有志が2014年9月から活動を開始。16年1月、スイスからのFWT本部視察団が白馬を訪れ、今月ついに大会開催に至った。

FWTを構成する4つのカテゴリー

1月11日には「Freeride Hakuba」最初のイベント、「FWQ2スター」が開催された 【写真提供:goat jun yamagishi】

 FWTは以下の4つのカテゴリーで構成されている。

(1)「The Swatch Freeride World Tour(FWT)」
 世界最高レベルのライダーのみ参加可能な、プレミアシリーズで、男/女・スキー/スノーボードの4種目がある。今年は10シーズン目にあたる。急峻(きゅうしゅん)な斜面に安定した積雪があり、数十人の選手が参加するFWTを開催できる場所は世界でも非常に限られており、1月中旬以前の開催が可能な場所は、斜面へのアクセスの良さなども考えると世界でも白馬しかないと言っても過言ではない。「Freeride Hakuba」もこのカテゴリーのイベントへの昇格を目指す。

(2)「The Freeride World Qualifier by Tyrolia(FWQ)」
 FWQは、1スター(レベル1)から4スター(レベル4)にランク付けされる、FWTの予選リーグ。「Freeride Hakuba」は、2スターと4スターの2つのイベントを開催。

(3)「The Freeride Junior Tour by Head (FJT)」と「Freeride Junior World Championships Grandvalira(FJWC)」
 11年から始まった、14歳から17歳のライダーのジュニアツアー。 世界中で年間70のイベントが開催され、アンドラで行われるFJWCで年間チャンピオンが決定する。

(4)「The FWT Club」
 各地のスキースクールと連携し、1日で終わるものから1週間のものまで、さまざまなフリーライドのレッスンを提供。FWTのライダーに憧れる若者に、フリーライドの安全な楽しみ方を伝えている。

 1月11日には「Freeride Hakuba」最初のイベント、「FWQ2スター」が開催された。この大会は13日から18日にかけて行われる「FWQ4スター」への主催者推薦枠を争うもので、規定出場枠の2倍以上の応募があり、日本人選手61名、外国人選手25名の計86名が参加する大きなイベントになった。

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