【W-1】稲葉がZERO1大谷と2年ぶり一騎打ち「勝って俺の“プロレスの教科書”をスタートさせる」
【写真提供:WRESTLE-1】
大谷「また自分の前に現れる予感はしていた」
大谷 そうですね、僕もあの当時……どれぐらい前になるんだろ? そんなに前じゃないよね? でもあの時確か2回当たってそれきりになってはいるんですけど、なんか僕は2回戦った後に、勝手にですけど稲葉とは絶対続きがあるという予感みたいなのはあの試合が終わってからありましたよね。なんとなく僕の中で、偉そうに言うんじゃなくてね? あの時のただがむしゃらな、ただ真っすぐな一生懸命な若者だったじゃないですか。そこからいつかこいつが成長したときに必ずこいつがまた大谷晋二郎と戦わせろって言う時が来るんじゃないかなっていう。僕の中で勝手な予感ってのがありましたよね。もしかしたら彼の中で大谷晋二郎に勝たなければ前に進めない、みたいな。僕の勝手な独りよがりかもしれないですけど、なんとなくそんな気がしましたよね。がむしゃらに向かってくる彼と戦ってね。いつかまた自信をつけて、団体を背負って負けてたまるかってなった時にコイツはまた自分の前に現れるなっていう予感みたいなものは僕の中でありましたね。だからあの後僕は今まであえて名前を出さなかったですし。でもその時が来たってことじゃないですかね。
――稲葉選手は大谷選手と戦った後に肩の手術を行い半年以上欠場していました。その後、復帰してからはものすごい勢いでWRESTLE−1のチャンピオンにまで上り詰めましたが、その活躍は大谷選手の所まで届いていましたでしょうか?
大谷 当然紙面を通してみさせてはもらっていて、「うわぁ、すげぇな」って客観的な目で見ていましたね。映像とかでは見てはいないんですけど、あの時の真っすぐな戦いのままおそらく駆け上がったんだろうなっていう勝手な想像をしていました。
――今回は若手の土肥孝司選手、熊ゴロー選手がプロデュースする大会でこの試合が決定致しましたが、現在の稲葉選手にはどのようなことを期待しますか?
大谷 いやいやさっき言ったように、お互いの団体の名前を背負って戦うつもりですので。どんな戦いを期待するっていうのは僕は彼に対して思っていませんし、僕は勝たなければいけない戦いとして挑みます。彼に何を期待するかって言うと、どう考えても上から見ている感じになるじゃないですか。一言、あえて言うならば“期待することは何もない、ただ僕は負けてはならない戦いに挑むだけ”というのが本音ですかね。
――純粋に稲葉選手との戦いは、イチ選手として楽しみですか?
大谷 うーん……戦う前からこういうこと言うのもどうかとは思うんですけど、楽しみじゃないと言ったら嘘になりますね。
――ありがとうございます。では最後に1.25新宿FACE大会での稲葉選手との試合に向けての意気込みをお願いいたします。
大谷 あの時戦った後、僕の中では予感がありました。またコイツと戦うな、と。稲葉と大谷の続き、Nextは必ずあると。その時が来たと思っています。さっきも言いましたが、楽しみじゃないと言ったら嘘になります。楽しみなワクワク以上に負けちゃいけない戦いに、ZERO1の看板を背負ってあなたの前に立ちますので、あなたもWRESTLE−1という看板を背負って、俺が負けたらWRESTLE−1は負けるんだっていう気持ちで僕の前に立って欲しいです。そういった意味で、勝負だけどそこが“決闘”といえるようなステージで彼と戦いたいと思います。
「また自分の前に現れる予感はしていた」と語る大谷晋二郎。ただ最後に戦ったシングルマッチの後、稲葉は肩のケガのため長期欠場となった。それ故にこの戦いは自然消滅するかと思われた。ただ、両選手にはその闘いへの思いがあった。稲葉はこの「新春喧嘩祭り」という舞台で大谷とのシングルを熱望し、大谷もそれに呼応した。過去2度のシングルマッチは誰もが認める大熱戦。ただ状況が違う。大谷はもちろん誰もが認めるZERO1の代表として闘うが、稲葉もWRESTLE−1の頂点を手にした男、タダで引くはずがない。もうこの戦いに“挑戦”という言葉は相応しくない。団体の威信をかけ、二人の男の“決闘”が始まる。