【ノア】中嶋が王者の意地 ヘビー級転向の拳王に快勝 20歳の清宮が杉浦と共闘へ「強くなりたい」

高木裕美

杉浦は清宮にゲキを飛ばしガッチリ握手

杉浦は清宮の「強くなりたい」という熱い思いに応え共闘へ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 鈴木軍を離脱し、一匹狼となった杉浦貴は、この日成人式を迎えた清宮海斗に完勝。試合後、「強くなりたい」と訴える清宮と握手をかわし、共闘へと動き出した。
 デビュー1年2カ月ながら、昨年は鈴木みのるとの一騎打ちを実現させるなど、ファンからの注目度も高い清宮は、エルボーで杉浦に食い下がると、杉浦の雪崩式ブレーンバスターを食らいながらも、オリンピック予選スラムは切り返し、ドロップキック、ジャーマンスープレックス。

清宮は苦しみながらも決してギブアップせず 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 だが、杉浦もジャーマンで反撃し、エルボーで粘る清宮にキッチンシンク。すかさずフロントネックロックで絞め上げると、清宮は苦しみながらも決してギブアップせず。レフェリーが試合を止めた。

この日成人式を迎えた清宮は杉浦に必死に食らいつくも… 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 勝利した杉浦は、倒れたままの清宮に張り手。マイクを握った清宮が「おい、待てよ。オレは強くなりてぇんだよ」と呼びかけると、杉浦も「おまえの上のヤツらが嫉妬するぐらいの力をつけてみろよ」とゲキを飛ばし、ガッチリと握手をかわした。

丸藤は谷口に2日前のリベンジ

丸藤は逆水平チョップ連打で谷口の胸板を切り裂く 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは、2日前のGHCタッグ選手権試合でも激しくやり合ったマイバッハ谷口と丸藤正道が激突。丸藤が虎王でTKO勝利を収め、“ノアの顔”としての面目を保った。
 丸藤は昨年、新日本プロレスの「G1 CLIMAX」に参戦し、IWGPヘビー級王者である“レインメーカー”オカダ・カズチカに勝利した一戦では、年間ベストバウトを獲得。また、新日本所属の矢野通とのヤノマルフジでGHCタッグ王座に君臨するなど、他団体絡みで注目される一方、GHCヘビー級戦線では、1.31横浜で杉浦貴に破れて王座転落以降、結果を残すことができなかった。
 対する谷口は、昨年12.3ディファ有明で、潮崎豪とのコンビで待望のGHCタッグ王座を獲得。2日前の初防衛戦でも丸藤&小峠篤司組に勝利を挙げていた。

虎王2連発で谷口を場外へ突き落としTKO 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 丸藤は序盤から逆水平チョップ連打で谷口の胸板を切り裂くと、場外へのプランチャ。谷口もエプロンへのチョークスラムで形勢逆転し、ジャーマンスープレックス、チョークスラム、ラリアットとたたみかけるが、マイバッハプレスをかわされて自爆。それでも丸藤の逆水平チョップにエルボーで渡り合うが、丸藤の虎王2連発を食らい、場外へ転落。即座にレフェリーがゴングを要請し、TKO決着となった。

再び“流血戦”も潮崎が意地

2日前に続き小峠の頭突きで流血した潮崎だが、ひるむことなく完勝 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 2日前のGHCタッグ選手権試合で“流血戦”となった潮崎豪と小峠篤司が再戦。またも小峠の頭突きで潮崎が流血するも、ヘビー級らしい豪快な勝利を収めた。
 1.7後楽園大会では、反撃に出た小峠の頭突きで潮崎が額をカチ割られ、顔面血まみれになりながらも、小峠にショートレンジ豪腕ラリアットで勝利。一騎打ちとなった今回も、25分近くに及ぶ長丁場となり、まさに2日前の再現となった。

小峠にヘビー級の壁の高さを思い知らせた潮崎 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 序盤の場外戦で、潮崎は鉄柱に顔面から激突し、古傷を押さえて悶絶。それでも、逆水平チョップでコーナーから場外へ落とし、床へのDDT、執拗な肩固めでスタミナを奪う。
 だが、小峠はゴーフラッシャーを切り返し、ドロップキックで場外へ落としてトペコンヒーロを見舞うと、さらに雪崩式フランケンシュタイナー、レッグショット、ストゥーカスプラッシュ。だが、キルスイッチは潮崎がこらえ、返す刀で左腕ラリアット。逆水平チョップ合戦から潮崎がチョップを乱れ打つと、またしても小峠が頭突き。ついに傷口が開き、鮮血が噴き出した潮崎だが、ひるむことなく、目を見開いてゴーフラッシャーを見舞うと、ローリング袈裟斬りチョップからのショートレンジ豪腕ラリアットでフィニッシュ。ヘビー級の壁の高さを小峠に思い知らせた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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