新垣渚、喜びも悔しさもかみしめて 「最後の甲子園ですべてが吹っ切れた」

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刺激になっていた松坂世代

16年5月10日の広島戦(神宮)で通算1000奪三振を達成 【写真:BBM】

『週刊ベースボール』誌の12月5日号に掲載された雄太の惜別インタビューを眺め、「同じ松坂世代なんですよ!」と表情を崩した。やはり特別な思いを抱いている同世代。「切っても切れないですよ」とその縁はやはり深いようだ。

──松坂世代についてご自身の中では特別なものがあるとは思います。

 すごく刺激にはなりましたよね、プロ入り前から。やっぱり大輔が高校球界のトップで、意識もするし、切磋琢磨もするし。だからこの世代はレベルも上がっていったのだと思います。自分の世代だと言われるのはプレッシャーにもなりますから、そのプレッシャーを背負って(松坂は)ずっと結果を出してきている。すごいと思います。

──04年10月11日、西武とのプレーオフ第2ステージ第5戦では松坂投手との投げ合いも実現しました。

 ウチは第1戦で石井(貴)さんに勝って、第2、3戦は(和田)毅と和巳さんがいるから、もう勝ったも同然だと思って油断していたら、まさか最後の最後に大輔と投げ合うことになって……、ものすごいプレッシャーでした(笑)。でも、投げ合えたのは良かったです。印象に残っていますね。

──松坂選手に限らず、和田投手、杉内俊哉投手(現巨人)ら現役の選手もいます。新垣さんからエールを送るならどんな言葉を?

 僕のエールなんていらないと思いますよ。だって頑張れば結果を出す選手ばかりですもん、絶対。ただやっぱり、年も重ねてきていますから、ケガだけには気を付けてほしいと思います。あとは、やっぱり同年代の選手がいなくなるのは寂しいのでね。40歳くらいまではプレーしてもらいたいですよね、最低でも。

──1人でも多く、というところではありますよね。

 そうですね。自分が身を引いて同じ世代の選手が頑張っているところを見ると、励みにもなりますしね。刺激にもなると思う。そこで「勇気をもらうってこういうことか」と感じる場面も出てくるんじゃないですかね。まだまだおじさんも若い者には負けてほしくないですよね。

「野球界に何か還元できたら」

──新垣さんは今後、どんな未来を思い描いていますか?

 自分を生かすためにも野球に携わっていたいですね。いつかはオキスイ(沖縄水産高)の監督もやってみたいですし、NPBのユニホームを着たいという思いもあります。プロ野球界、アマチュアの野球、沖縄の野球、どこかで何か還元できたらいいなと思っています。

──では最後にファンの方にメッセージをお願いします。

 14年間、本当にお世話になりました。僕はただ一生懸命やってきただけなんですけど、ファンの皆さんの声援が励みにもなりましたし、ファンあってのプロ野球選手です。特に今年はそれを強く感じました。トライアウトで皆さんが応援してくれて、それが自分のモチベーションになって、最後まで頑張れましたから。ユニホームは脱ぎますが、また第二の人生で、なんとか野球に関わっていけるよう頑張っていきたいと思います。本当に14年間ありがとうございました。

(取材・構成=阿部ちはる)

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