高校バスケ・ウインター杯の見どころは? 男子は初戦から好カード、女子は4強安泰か

スポーツナビ

「4強は崩れない」

桜花学園から馬瓜(写真右)ら5人がU−18女子代表に名を連ねる。ウインター杯でも彼女たちのプレーに注目が集まりそうだ 【写真は共同】

 女子は全体像を見たときに、シード校が抜けている印象で、桜花学園、岐阜女子、大阪薫英女学院、札幌山の手の4強は崩れないでしょう。

 シード校の初戦で注目は、八雲学園とおそらく聖カタリナ学園の試合ですね。八雲学園は高校総体でベスト16。シューターの吉田舞衣や佐藤由璃果、そして1年生で一番の注目株である奥山理々嘉の3人は見逃せません。この3人は攻撃力のある選手たちで、バランスがとれています。奥山はU−17女子日本代表にも選ばれている、すごく良い選手です。

 聖カタリナ学園は毎年そうなのですが、小さいけれどとにかく速いチームです。このチームが初戦で勢いに乗って勝ち上がってきた場合、八雲学園を倒してメーンコートまで一気に駆け上がる可能性は十分にあります。高校総体では1年生の梅木千夏選手を取材したのですが、この選手がまた速い。ドリブルでガンガン持ち込むプレーが魅力的でした。少し体格的には劣るのですが、梅木選手のスピードが八雲学園にどこまで通用するのか、見どころの一つですね。

 足羽が勝ち上がってきて大阪薫英女学院と3回戦で対戦することになれば面白いですね。U−18に選ばれている宮下希保や、ガードの宮崎安奈選手も注目です。チームを率いる林慎一郎先生は、U−18女子日本代表監督も務めていたので、頭を使ったバスケを展開し、策もいろいろ練ると思います。ここはディフェンスがしっかりしており、大阪薫英女学院の爆発力にどこまで守備が通用するかは見どころです。

桜花学園と開志国際の対戦は面白いカードに

 順当に行けば準々決勝の桜花学園と開志国際は間違いなく面白いカードになります。桜花にとっては第一関門。それ以外のチームも侮れませんが、開志国際は力があります。桜花は5人がU−18に入っていますが、開志国際にも藤永真悠子という2年生がいて、それ以外にも3年生の中島彩衣、セネガル出身の選手たちもいて、バランスが取れています。ひとすくいできれば決勝に行ける可能性は十分。爆発力もありますし。4強手前のところでは、ここが一番面白いでしょう。

 札幌山の手のブロックでは、郡山商のところは昭和学院が勝ち上がってくるかなと思います。郡山商は高校総体に出ていないので、どれだけのチームかは見えていません。ただ、高校総体に出場した福島西は結構良いチームで、そこを倒してきているので力はあると思います。
 
 昭和学院はU−18代表の赤穂ひまわりもいます。高校総体のときはけが人が多くて選手のやりくりに四苦八苦しながら戦っていましたが、昭和学院が普通に行けば勝ち上がっていくでしょう。その時の札幌山の手との戦いは面白いでしょう。札幌山の手もU−18でセンターの栗林未和がいますし、1年生にも力のある東藤なな子、畠山愛花が夏は良い働きをしていました。特に東藤は今後注目したいと思っています。彼女の活躍次第では上まで行けると思います。ただ、昭和学院もけが人が戻ってきた時にうまく力をつけると、ここのゲームは面白いだろうなと思います。

 岐阜女子は聖カタリナ学園か八雲学園の勝ち上がった方との対戦になると思います。ただ、岐阜女子は4強の中では比較的楽にベスト4に行けると思います。聖カタリナ学園や八雲学園は、よほどのことでないと岐阜女子を倒すのは難しいと思います。ただ、この2校はここで勝ったら勢いに乗ると思うので、岐阜女子に勝つことも十分に考えられます。八雲学園は東京なので、応援も大きくなると思うので、その辺も加味できるのかなと思います。

U−18女子代表メンバーは必見!

 女子は桜花学園は(頭ひとつ)抜けているので、スタメン5人、全員面白いと思います。強いて挙げればガードの山本麻衣と、センターの馬瓜ステファニー。彼女らはU−18のメンバーですが、この2人が中心になっていて、それ以外の赤木里帆や佐古瑠美、粟津雪乃ら、U−18組は必見だと思います。今年のU−18のメンバーは個性があって面白いメンバーが多く、大阪薫英女学院の高原春季や札幌山の手の栗林、昭和学院の赤穂、開志国際の藤永は面白いと思います。

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