小久保監督「勝つための采配をしたい」 侍ジャパン強化試合・前日会見

中島大輔

WBC前最後の強化試合へ向けて「勝つための采配をしたい」と意気込みを語った侍ジャパン・小久保監督 【写真は共同】

 野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督は11月9日、翌日から東京ドームで行われる強化試合の公式記者会見に出席した。10、11日に対戦するメキシコ代表のエドガー・ゴンザレス監督、12、13日に戦うオランダ代表のヘンスリー・ミューレン監督も出席し、試合に向けた意気込みを語った。

 来年3月に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控え、2大会ぶりの優勝を狙う侍ジャパン。小久保監督は「WBC前の最後の強化試合です。この4試合を大事にしたい、大切な4日間にしたい」と話した。

 以下は会見の様子。

ゴンザレス監督 チームジャパンと明日から戦うことができて、非常に光栄に思っています。願わくば、日本チームが私たちにとってそれほど強敵でありすぎないような試合になることを祈っています。

小久保監督 11月という時期にメキシコ、オランダからナショナルチームを率いて日本に来てくれたことに対して感謝を申し上げます。日本チームにとってWBC前の最後の強化試合になりますので、両国の力をお借りしながら最終調整の試合をできればいいと思っています。

ミューレン監督 メキシコのゴンザレス監督と若干かぶるんですけど、私たちもNPBに対して、このような機会をいただけたことを非常に感謝しております。オランダ代表は若手中心のメンバーで、WBCなど未来を見据えた人選でこの試合に臨むつもりです。東京ドームでプレーすることは常に私たちにとって、野球人にとって非常にエキサイティングなものです。なぜなら、東京ドームという場は素晴らしい雰囲気だからです。

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かつて巨人でのプレー経験があるメキシコ代表のゴンザレス監督 【写真は共同】

――3人に伺います。この試合への意気込みを聞かせてください。

ゴンザレス監督 目標はもちろん勝利することです。日本チームは非常に強敵で、なかなか勝利することが難しいと理解していますが、勝利するために、いいゲームをしたいと思っています。

小久保監督 WBC前の最後の強化試合ですので、この4試合を大事にしたい、大切な4日間にしたいと思っています。戦い方的にはある程度本番を見据えた、負けられない試合の中での試合運び、ゲームプランになると思います。全力で、勝つためにはどうするかという采配をしていきたいと思います。

ミューレン監督 昨今世界の野球情勢が変わってきていると理解しています。ご存知の通り、イスラエルがWBCの予選を初めて突破したことにも表れていると思います。前回大会に参加していたブラジル、スペインが予選で敗れたこともあり、WBCが僅差の国際大会になってきていると感じています。オランダ代表は20年前から世界ランキングが上がってきましたので、この調子で行きたいと思っています。小久保監督もおっしゃっていた通り、WBC本番を前にした国際マッチは私たちにとっても最後の機会なので、非常に真剣に捉えています。もちろん全力で勝ちにいこうと思っています。
 
――小久保監督にはメキシコ、オランダ両チームの印象、ゴンザレス監督とミューレン監督は侍ジャパンの印象を聞かせてください。

小久保監督 チームの印象というよりも、ここにいる監督さんは日本のプロ野球界を経験しているという共通点があると思います。その辺りで、どういうふうな采配をしていくるのか非常に興味深いところです。チームの印象というよりは、今回初めて集めている選手もいるので、その選手たちがMLB仕様球に対応できるかをしっかり見ていかなければいけないなと思っています。両チームの監督さんに興味があります。

ゴンザレス監督 日本チームに関しましてはスカウティングリポートで学びました。印象は非常に多くのパワーヒッターがいます。それから日本のトッププレーヤーが集っていると認識しています。個人名を申し上げると、山田(哲人/東京ヤクルト)選手、筒香(嘉智/横浜DeNA)選手と、非常にいいシーズンを送った直後の選手が含まれています。日本チームはいつもスピードに優れ、守備に非常に秀でており、投手陣も申し分のない、いつも非常に完成されたチームという印象を持っています。私たちは基本に忠実にプレーして、勝利を目指すゲーム運びをしたいと思っています。

ミューレン監督 ロースターを見て、日本がいかに強いチームであるかを理解しています。本当に素晴らしいチームだと思っています。私たちにとって幸運なのは田中(将大=ヤンキース)投手、前田(健太=ドジャース)投手、イチロー(マーリンズ)選手がいないことです。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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