広島、25年ぶり日本S進出の鍵は? ジョンソンと助っ人2人打線に期待
助っ人2人を並べる「超攻撃的打線」
緒方孝市監督はチームを日本シリーズへ導けるか 【写真は共同】
そして短期決戦での目玉になりそうなのが、ルナ、エルドレッドの助っ人2人をスタメンで起用する「超攻撃的打線」。ヘーゲンズの先発起用で可能になったこの布陣は、レギュラーシーズン終盤から試されてきた。下位打線での起用もありそうなエルドレッドは、9・10月で3本塁打11打点とポイントゲッターとしての働きを見せており、8日の紅白戦でも本塁打を放っている。守備には不安を持つ2人だが、いずれも来季の契約が確定しておらず、ポストシーズンは残留のためのアピールの場にもなる。
広島が警戒すべき選手は?
ただ、初戦に先発予定のジョンソンは、筒香に対して10打数1安打と抑えている。野村、黒田はいずれも対戦打率4割を超えているだけに、ジョンソンの役割が非常に重要。相手主砲の出鼻をくじくことができれば、勢いを削ぐことができるはずだ。
筒香の前を打つロペスは、今季の対戦打率2割7厘(マツダスタジアム1割6分3厘)と抑えているが、9月の横浜スタジアムの試合(18、19日)では2試合で3本塁打を打たれており、警戒すべき打者であることに変わりはない。
それよりも、注意すべき打者が倉本寿彦。今季の対戦打率3割8分1厘(マツダスタジアム4割4分9厘)の高打率を記録している。
相手打線に対しての懸念材料は多いが、広島にとって幸運だったのはファーストステージが第3戦までもつれ込んだことだ。第2戦、第3戦で今季抑え込まれた今永昇太(対戦成績は5試合3勝1敗、防御率1.65)、石田健大(同5試合2勝0敗、防御率2.61)の両左腕が先発。これにより、ファイナルステージの序盤に万全の態勢で先発することは不可能に。また、今季の対戦成績が7試合3勝3敗、防御率2.45の井納翔一も、中3日での初戦先発は考えづらい。相手の勢いは警戒すべきだが、やはり広島が有利であることは間違いない。
とにかく「先手必勝」。広島の日本シリーズへの近道はこれしかない。
(文・大久保泰伸/ベースボール・タイムズ)