石川遼、米ツアー復帰へ準備着々 父・勝美氏が見た手応えと課題

優勝を逃したANAオープンでつかんだ手応え

まだ課題というドライバーも、ANAオープンでは手応えを得た様子だった 【写真は共同】

 石川が、KBCオーガスタで2位に5打差をつける完全優勝を果たした直後に、勝美氏に勝因を尋ねたところ、「パターとアプローチで勝ったようなものですよ」と手厳しい評価が返って来た。「パターは完璧でしたが、アイアンもドライバーもまだまだです」と言うのだ。

 確かにショットに関しては、とりわけドライバーでは、ミスが目立っていた。予選ラウンドを12アンダーの単独トップで通過したANAオープンでも、3日目の4番パー4(380ヤード)で、右の林に打ち込みダブルボギーをたたき、「ドライバーから崩れていってしまった」(石川)と順位を落とし、優勝を逃した。

 とは言っても、その4番ホールのプレーに関して、勝美氏は「ボギーでもいいという消極的な攻めではなく、あわよくばチップインバーディを狙った攻めだったから、あれはあれでよかったのではないか」と評価する。そして、最終日のバック9(後半の9ホール)では、「今日は10番からドライバーが全部、フェアウェイにいった」(石川)と手応えも得たようだ。

 石川の次回の試合は、10月13日から狭山ゴルフ・クラブで開催される日本オープンになり、これが日本での5戦目だ。同週に米ツアーでは開幕戦のセーフウェイオープンが行われるが、石川は、あえてそれをスキップして、マレーシアで行われるCIMBクラシックから米ツアーに復帰する予定だ。時差が少なく、強豪選手もあまり出場しない大会から復帰するのは賢明な選択である。

 また、11月24日からオーストラリアで行われるワールドカップに松山英樹とのペアで臨んだ後に、まだ発表していないが、おそらく、その翌週に行われるゴルフ日本シリーズJTカップにツアー優勝者として出場するだろう。可能ならそれまでに、454ポイントクリアの朗報が聞けることを期待したい。

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著者プロフィール

長らく週刊ゴルフダイジェストでトーナメント担当として世界4メジャーを始め国内外の男子ツアーを取材。現在はフリーのゴルフジャーナリストとして、主に週刊誌、日刊誌、季刊誌になどにコラムを執筆している。

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