データで見る日本男子ゴルフ苦戦の訳 メダリストの差は“攻めどころの理解”
日本勢では池田勇太がトータル3アンダーで21位タイ。片山晋呉はトータル8オーバーの54位で4日間を終えた。共にメダル争いからやや遠い位置でのフィニッシュ。上位との差はどこにあったのだろうか。4日間のデータでひも解いてみる。
明暗を分けたショットの精度
ジャスティン・ローズ
平均飛距離:294.1ヤード(11位)
フェアウェイキープ率:90.39%(3位タイ)
パーオン率:77.78%(1位)
パッティングのスコアに対する貢献度:0.361(22位タイ)
池田勇太
平均飛距離:272.4ヤード(55位)
フェアウェイキープ率:82.69%(23位タイ)
パーオン率:66.67%(27位タイ)
パッティングのスコアに対する貢献度:1.061(5位タイ)
片山晋呉
平均飛距離:283.2ヤード(34位)
フェアウェイキープ率:82.69%(23位タイ)
パーオン率:58.33%(53位タイ)
パッティングのスコアに対する貢献度:-0.349(36位)
金メダルにふさわしいローズの安定感が数字にも表れているが、順位と比例しているのがパーオン率だ。ローズは72ホール中56ホールでパーオンに成功し、77.78%で全体の1位。それに対し、池田は66.67%で27位タイ、片山は58.33%で53位タイとなっている。池田の最終順位が21位タイ、片山は54位だから、グリーンを狙うショットの精度が明暗を分けたと言える。
日本、躍進への近道は?
海沿いのため、風の影響もある。強い風に対して狙いどころを間違えるとボールはいとも簡単にグリーンを外れてトラブルとなる。データから見えたパーオン率の低さはこうしたコースの攻めどころを本能的に理解しているかいないかの差でもある。ジュニア時代からリンクスで育つ欧州勢がメダルを争ったのも、コースへの慣れによるところも大きいはずだ。日本勢がこの差を埋めるには、日本に同様のスタイルのコースを作るか、海外に積極的に飛び出して経験を積むしかない。躍進への近道はもちろん後者だ。
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