イチロー超えを狙ったボガーツは失速 シーズン262安打は異次元の記録
後半3カ月で150安打は困難
ちなみに今季、通算安打でリードしているのは192安打のアルトゥーベ。打ちまくっている印象があるが、それでも予想安打数は217安打だ。262安打には45本も及ばない。超えるとしたら、あと1カ月、あと100打席以上は必要だ。見方を考えれば、そこにもイチローの記録のすさまじさが透ける。「今後も抜かれることはない」とパウエルが断言するわけである。
おそらく今後も、前半の段階ではイチローの04年の安打ペースを上回る選手はいくらでも出てくるのではないか。ただ、後半の3カ月で150本以上のヒットを打てる選手が現れるとは、想像しがたい。
10年連続200安打は「イメージできない」
通算安打でトップを走っているアルトゥーベが今季も達成すると3年連続となる。非凡な記録ではあるが、イチローの連続記録に挑戦する前に、ポール・ワーナーの4年連続(1927〜30年)、マイケル・ヤングの5年連続(2003〜07年)といった記録があり、まだまだ先の話。アルトゥーベ自身、3年前に初めて200安打を超えたとき、こう言っていた。
「この数字は目標にできる数字ではない。ちょっとしたケガをしただけで、記録は途絶える。それをイチローが10年も連続で記録したなんて……。1年だけなら、多くの選手にチャンスがあるけど、不可抗力まで排除して10年も続けるなんて、イメージできない」
彼は昨年、最終戦に3安打を放って、200安打ちょうどとしたが、改めて連続で200安打を打ち続けることの難しさを実感したのではないか。そしてまた、イチローの記録の偉大さをも。