元全日本・狩野舞子が新天地で始動 「これがラストチャンスだと思った」

田中夕子

寺廻監督「最後に思い切りバレーをやってもらいたい」

――狩野選手に期待するところは?

 まずは彼女の経験が第一。そして、つなぎのプレーなど、総合的に非常に優れたプレーヤーです。ただ若干ブランクというのもありますので、まずはしっかり体をつくって、良い状態になれば、うちのチームにとって必ず素晴らしい戦力になると信じています。総合力、センスあふれる全盛期の狩野舞子のプレーができるよう、こちらもしっかりサポートしたいと思います。

――狩野選手にどんな言葉をかけて口説き落とした?

 これはあくまでも自分の想像の域を脱さないですが、彼女の久光での終わり方は、ひょっとしたら彼女がバレーを終わるのにふさわしくないのではないかと思っていましたので、ぜひ最後に思い切りバレーをやってもらいたい、と。

 高校時代からプレーを見ていたものですから、うちにきてどれだけできるかというのは未知数ですが、彼女が本当に「バレーをやりきった」ということができれば、それが幸せなんじゃないか、ということは言ったと思います。

これからは経験を伝えていく立場に

Vプレミアリーグ女子大会の開幕は10月30日。新たな狩野舞子の挑戦が始まる 【田中夕子】

 7月21日のチーム合流後、今はまだランニングやトレーニングなど体づくりに重点を置いているため、「なるべく早めに合流できるように頑張りたい」と言うにとどまるが、若い選手が多く、加入早々ではあるがチーム最年長。寺廻監督の「(狩野選手の)経験に期待した」という言葉にもあるように、これからは自身が経験を重ねるだけでなく、経験を伝えていく立場になる。

「まずはコートに立てないと話にならない。しっかり体をつくって、チームの力になりたいです」

 Vプレミアリーグ女子大会の開幕は10月30日。ロンドン五輪、セッターでのプレー、休養期間を経て、どんな狩野舞子が見られるか。新たな挑戦が、再び幕を開ける。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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