友情のスクラム、青春へトライ。高校ラグビーは情熱がほとばしる。桐蔭学園が2連覇。18度の連続攻撃から先制。攻める側も守る側も紙一重の攻防

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】
仲間を信じて友情のスクラム。青春の完全燃焼へトライ。全国高校ラグビー大会は情熱がピッチ上にほとばしっている。桐蔭学園が決勝で6つのトライを奪うなど大会2連覇を達成した。18度に及ぶ連続攻撃から先制。攻める側も守る側もゴールライン上で紙一重の攻防を繰り広げた。楕円球を追い互いの意地が交錯する。60分の密度の濃い感動ドラマだった。

7日に大阪の花園ラグビー場で行われた決勝戦。神奈川代表の桐蔭学園と大阪第2代表の東海大大阪仰星が相まみえた。「関東対関西」決戦だ。

前半9分に桐蔭がチャンス。連続攻撃でゴール前まで前進し、相手のインゴールまであと少し。

ここから、仰星の粘りが続く。相手の突進をタックルで応戦。スリル全開だ。こういう展開で、守っている側を応援している人にとって、ホラー映画を見ている感覚ではないか。思わず身をよじってしまう。

相手が突破を図ろうとする。ギリギリのラインで持ちこたえる。しかし、相手はまだまだ攻撃を緩めない。一度食い止めても相手がボールを持つ限り、守り続けなければいけない。

攻める側も「あと少し」。相手の「壁」を崩してインゴールにボールを着地させたい。反則もミスも禁物。防御の穴を作り出そうとする。

意地と意地が交錯する中で、桐蔭学園が中央から右に展開して、松本桂太選手(3年)がインゴールへ飛び込んだ。

前半12-0で折り返した桐蔭。後半に4つのトライを積み重ねて、40-7とリードした。後半も残り5分。もう桐蔭の優勝は確定的だ。

それでも仰星は反撃を続ける。このまま終われば、青春の不完全燃焼に終わる。ピッチに自分のすべてを出し尽くしたい。

仰星はゴール左端に反撃のトライ。まだまだ終わらせない。もう一本!さらに攻め上がると、中央から右へ展開しトライ。青春を完全燃焼した。

ノーサイド。優勝した桐蔭は2大会連続5度目の日本一。仰星は3大会ぶり7度目の頂点をめざしたものの届かなかった。

高校ラグビーは選手の成長物語だ。自分を信じ、仲間を信じる。相手の突進を肩で食い止めるタックル。自らの勇気を信じて立ち向かう。フォワード8人がひと固まりとなってぶつかり合うスクラム。仲間を信じて「8本の矢」となる。

優勝した桐蔭も敗れた仰星も頂上決戦を戦うのにふさわしいチームだった。両チームの選手たちを拍手でたたえたい。
見出し画像:小平健太郎
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