イチローは先発出場すれば打つ! 2安打重ね3000安打へあと4本

丹羽政善

ホームでのチケット売り上げも好調

この試合は2安打を放ち、3000安打まであと4本としてホームへ戻る 【Getty Images】

 いずれにしても、本拠地で3000安打を打つという現実味が増したことで、マイアミのチケットセールス担当はうれしい悲鳴を上げているはずだ。

 マーリンズの広報によれば、すでに22日からのメッツ3連戦のチケットは、「かなり売れている」とのこと。さらにこう教えてくれた。

「イチローの3000安打までの残りの本数がさらに少なくなれば、当日になって球場に来る人も増えると考えられるので、満員になると予想しています」

 スタメンの日にしっかり安打数を増やせば、大台がよりくっきりと見え、さらに人を呼ぶに違いない。

6月以降の先発出場で4割近い打率

 それにしてもイチローは先発出場するとよく打つ。

 この日が今季33試合目のスタメンだったが、141打数49安打で打率3割4分8厘。1試合平均1.48本というヒットを放っている。

 6月以降では、17試合に先発出場し、74打数29安打で3割9分2厘とハイアベレージだ。1試合平均は1.71本!

 これだけヒットが出るというのは、体の状態もいいのだろう。17日、カージナルス戦で3安打を放った試合後、「本当のこと言えないな。あるけどね、明確にあるけどお伝えできないです」と意味深な言葉を残したが、悪いはずがない。

 メディアの数も増え、注目度は増す一方。プレッシャーがあっても不思議ではないが、「もう何回もこういうことを経験している」とイチロー。周囲の盛り上がりに惑わされることなく、変わらない自分がいる。彼の強みがここで発揮されている。

 さて、チームも後半は5勝2敗。ナ・リーグ東地区首位のナショナルズに4.5ゲーム差に迫っている。

 イチローの安打数が3000安打に迫ると同時に、チームも着実に勝ちを重ね、上位に迫っている。記録と勝ちが、いい形で連鎖している形だ。

 このまま2つが連動すれば、楽しみなシーズン終盤となりそうだ。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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