ル・マン24時間レースは終盤へ スタッフたちはいつ寝ている?

田口浩次
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提供:トヨタ自動車

ドライバーだけでなくチームスタッフ全員がレース前から多忙を極める 【田口浩次】

 ル・マン24時間レースは朝を迎え、いよいよ残りは3分の1を切った。早朝のトヨタのケータリングユニットで、顔見知りのスタッフがいたので、「おはよう。ここまで何分寝た?」と聞いたところ、「15分を2回で合計30分。君は?」と聞かれたので、「10分2回と20分1回で合計40分」と答えた。24時間レースならではの挨拶あるあるだ。

 テレビ中継ではピットクルーが寝ている姿がカメラに映されるが、彼らの仕事は本当に過酷だ。レース前の準備から含めると、レース終了までに大体40時間ほど起きつづけている。つまり、レースの夜中の時点で、すでに24時間近くは確実に経過しているのだ。そんな彼らの24時間レースにおける仕事ぶりはどれほど過酷なのか、トヨタのチームマネージャーのジョン・スティーグスに聞いたところ、やはり通常より長時間となる点がもっともタフな要因のひとつとわかった。

「40時間から50時間は起ている」

スタッフの休憩やチームプランについて説明してくれたジョン・スティーグス氏 【田口浩次】

「WECはル・マン以外のレースは6時間レースなので、ル・マンに向けてはまずスタッフの増員が必要になる。これはメカニックだけではなく、あらゆる部分の仕事においてね。あと、F1のテストでは2交代制で早朝からの仕事と夜勤という2交代制を敷いている場合があるが、これはル・マンのレースではやっていない。ただ、F1と同じ、テストのときに結果的に36時間のシミュレーションを行うことがある。このときは、交代制があるよ。この場合は9時間ごとの交代になる。基本、9時間が連続した作業をするうえでの上限かなと思っている。ただし、レース本番の場合は別だ。とはいえ、決勝レース以外も起き続けることは無理なので、水曜日の走行準備を入れると、火曜日の段階から全体が一気に交代するのではなく、仕事ごとに、朝から引き継いだり、夜に引き継いだりと、リレー制ともいうべきシフトを組んでいる。

 そして本番を迎えるわけだけれども、土曜日は朝5時には起きて仕事を始めている。スタートは午後3時だけど朝9時からウォームアップ走行があるからね。もちろん、ウォームアップ後もミーティングや確認作業、変更作業と、レースまで仕事がある。レース中はもちろん忙殺されるし、レース終了後も片づけやらなんやら、ひと段落つくのは深夜。つまり40時間から50時間は起ていることになるというわけさ」

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