前々走の成績にも注目! オークスを分析 データが導き出した勝ち馬はコレだ!
脚質別成績
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走レース・着順別成績(好走馬輩出レース)
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
その他のレースからは好走馬が出ておらず、フラワーCからの直行は過去10年【0.0.0.3】で、13年には同レース優勝馬のサクラプレジールが6番人気で14着に敗退。そして前走500万・未勝利戦組は【0.0.0.13】。11年の3番人気・グルヴェイグはエルフィンS3着→500万1着で出走し、14着に敗退。また、06年には忘れな草賞2着のブルーメンブラットが、500万1着を挟んで出走して9着と、オープン好走実績馬でも苦戦を強いられている。
前走着順については表6〜7でも触れるが、前走1着馬が優勝馬11頭中7頭。そして前走2着馬からは勝ち馬こそ出ていないものの、2〜3着が多く、複勝率では前走1着馬を上回る。前走6着以下からの好走馬5頭は、桜花賞4頭、皐月賞1頭と、すべてG1だ。
前走桜花賞からの好走馬
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
ただ、08年以前と09年以降では傾向に違いが見られ、08年までの6頭はすべて4番人気以下で、桜花賞下位人気馬や馬券圏外の馬も多かった。しかし09年以降は12頭中9頭が3番人気以内で、同11頭が桜花賞5番人気以内、そして同10頭が3着以内。09年以降のデータを重視すれば、桜花賞上位人気の好走馬、かつ今回も人気になっている馬が狙い。桜花賞で馬券圏外の馬なら、2走前では重賞を勝っていることが条件になる。
前走桜花賞以外からの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
今年の登録馬で筆頭に挙げられるのは、桜花賞で大接戦の末に2着に惜敗したシンハライトだ。その桜花賞は2番人気、そして今回は1番人気が予想され、表6のデータは問題なくクリア。また、好走馬の中心となる差し脚質である点も好材料だ(表4)。あえて不安材料を挙げれば、前走2着馬からは過去10年優勝馬が出ていないことだろうか(表5)。しかし、桜花賞馬不在で行われた11年前のオークス(06年)は、シンハライトと同じく4戦3勝、そして桜花賞2着のシーザリオが1番人気で優勝している。この2頭にはほかに、生産者や馬主、配合(Sadler's Wells系牝馬×サンデーサイレンス系)と共通点は数多い。また、今年は他馬に減点材料を抱える馬が多いため、これを不安視する必要はなさそうだ。
シンハライトに続く候補はトライアルを制した2頭、ジェラシーとチェッキーノ。ジェラシーはスイートピーSを1番人気で制し、前々走も2着で表7の好走条件をクリア。チェッキーノはアネモネS、フローラSと連勝してきた。ジェラシーはスイートピーS組の好走馬が少ない点(表5)、チェッキーノは前走が3番人気であること(表7)が減点だが、数頭の好走馬は出ていることに加え、今年のメンバーではマイナス材料が少ない2頭である。
その他、比較的減点が少ないのはアットザシーサイドやロッテンマイヤー、エンジェルフェイスあたり。枠番(表3)や人気(表2)なども考慮して取捨を考えたいが、いずれも前走好走馬で、今回も一定の支持を集めそうな馬ばかりになってしまった。そこで穴候補を1頭挙げればレッドアヴァンセ。2戦連続での4着以下敗退が大きな減点材料にはなるが(表6など)、過去10年、そのパターンで唯一好走したローブデコルテ(チューリップ賞5着、桜花賞4着)は、今年と同じく桜花賞馬不在の07年の優勝馬だ。そのローブデコルテは3走前にオープン特別・紅梅Sを制覇。今年、3走前のオープン勝ちから2連敗中の馬は、このレッドアヴァンセのみである。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。