攻め続けでしばるグラン天皇賞 「競馬巴投げ!第121回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

「攻めている選手」を称賛することだ

シュヴァルグラン 【写真:乗峯栄一】

 もしどうしても、スポーツとして栄えさせるために「攻めるスポーツ」にしたいのなら「守っている選手」を叱るのではなく「攻めている選手」を称賛することだ。人間、気にくわないことがあったら、間違った選手を叱ることをまず考えるし、その方がたやすいが、いけないことだ。犬の訓練でも同じだ。いいことをした選手を誉める。

 テニスや卓球や、レスリングでも一部導入しているように、“サーブ権”を与えることだ。

 6分の試合なら、1分ごとに「片方の選手に好きな組み手を組ませて」“はじめ”を掛ける。サーブ権を1分ごとに交互に与える。それでも相手の選手が逃げまくれば、次の1分もサーブ権を与える。6分の試合で“1本”をより多く取った方の勝ちとする。レスリングでも攻め続ける選手の方にポイントを与えるし、あまりひどい逃げまくりの選手には「パーテル・ポジション」と言って、動物の交尾のように四つん這いにさせて後ろから攻めるという屈辱的なルールまである。

競馬エンゲル係数の高い人を表彰すべき

トーホウジャッカル 【写真:乗峯栄一】

 もちろんこれは「賭け事の胴元」JRAにも同じことが言える。守りに入って家に閉じこもり、ネット投票もしなくなった人に知らん顔をするのではいけない。貧しいながらも競馬場に来て、貧しいながらも投票し続ける人(すなわち競馬エンゲル係数の高い人)を探し出し、黒塗りベンツを何台も連ねて、その人の家まで行って表彰するのである。金製の馬の置物を授与し、「あなたは長年に渡り、苦しいなからも、よく攻め続けてくれました。たとえ収支は大マイナスでも、これは“一本”に相当します」と表彰状を読み上げ、十数人全員で「一本!」と大声で右手を高く上げ、園遊会招待にも推薦すべきである。そしてこの催しこそ、天皇賞の日に行うべきである。

 JRAが“積極的に攻め続ける人間”を誉め称えること、これがすなわち所属の柔道選手・原沢久喜に攻めを促す最大の原動力となる。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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