気で復活 河本結『次週は2人で夢を追う』
河本 結 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
4シーズンぶり3回目の出場。河本結は今大会を13位タイでホールアウトした。特別協賛の株式会社リコーと所属契約しているだけに、特別な4日間。「愛をもって応援してくださったスポンサーさん。成績でご恩返しを、と考えていたけど、叶うことができなかった。でも、ワンプレー、ワンプレーに感謝の気持ちを込めて取り組んだ。自分を信じてプレーして、ミスをしたのだから練習がまだ、足りないということでしょう」と振り返った。
24年シーズンを総括し、漢字一文字で『気』と即答。シード復活の原動力である。「必死でやった結果です。ここ5年間、本当にきつかった。肉体、精神…すべてを改造。でも、人生において、とても大事な期間だったと思います」と前置きし、「悪いことばかりが続いた。いいことはなかったですよ。勉強になった。成績が悪くなれば、周囲の方の見方も変わります。離れていく人もたくさん…。そんな時でも、スポンサーさんや、ファンの方まで応援してくださる方がいてくれた。一人の人間として、大きな成長を遂げている。そういったことで見えない手応えがあります。私自身、穏やかになったなぁ。そう思います」と変化を語った。
メルセデス・ランキングを見てみよう。19年=8位、20-21年=53位、22年=52位、23年85位。それがプロ7年目の24年は、7位と素晴らしいカムバックである。「毎日、24時間をゴルフに捧げた結果」が、見事に結実。スタッツからは気の効果がわかった。バウンスバック率が前年の80位から、1位に。「去年はとにかく、実戦数を増やさなければならない。だから、原点を見つめ直す意味で、ステップ・アップ・ツアーにも出場。表現は悪いけど、私にとって屈辱でもあった」と漏らしている。
【Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images】
ところで、「私のシーズン、まだ終わらない」。意味深長なコメントが続く。次週、開催の男子ツアー、ゴルフ日本シリーズJTカップでは、弟の力とコンビを組む。「人生、最初で最後のキャディーをつとめる」そうだ。姉と弟。同じプロゴルファーとはいえ、「日本一、仲がいい」と自任する。幼少時、「母から、いつかは2人だけが残る。とにかく仲良くしなさい」という言葉を忘れたことがない。
「男女の違いはあっても、小学校でサッカー、中学では陸上。高校、大学、やってきたスポーツもすべて同じです。練習などもすべて一緒。力は私の背中を追ってきた。いまどき、ちょっと珍しいでしょう。二人で同じ夢を追っている」といい、「日本シリーズでは3日間は電動カートを使うけど、もし最終日、優勝争いをしていたらキャディーバッグを担ぎます」と、一大決心。
『気』の24年は、まだ終わらない。(青木 政司)
【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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