ハリルホジッチ「アグレッシブさが出た」 W杯アジア予選 アフガニスタン戦後会見

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このチームで成功したい

ハリルホジッチ監督(右)は「このチームを誇りに思うし、このチームで成功したい」と語った 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

──新しいオーガニゼーションに選手は対応していたが、個々のパフォーマンスにばらつきがあったのは、理解度の差なのかフィジカルコンディションの差なのか?(田村修一/フリーランス)

 あのバルセロナでさえ、1回目の試合で理想の形にはならない。われわれが考えるフットボールは難しい。前へのプレーが一番難しい。ディフェンスでブロックを作るほうが簡単だ。相手は、われわれの30メートルには入れなかった。W杯の予選でそういうことが起こった。最終ラインでなく、われわれ全員が関わった。オフェンスの展開だが、少し慌てたり、ボールがよくなかったりポジションチェンジできなかったりということはあった。うまくやろうとし過ぎたところはあった。観客がどう評価したかは分からないし、われわれのアイデアがこの次うまくいくのか、さらに時間がかかるのか、それは様子を見ないと分からない。

──今日の試合でこの方法を試した理由は何だったのか?(後藤健生/フリーランス)

 監督というものは、時々スペシャルな考え方をする。なぜ(この試合だった)かというと、まずは選手たちが、相手と比べて十分なクオリティーがあると判断した。もちろんリスペクトはしているが、それでも何かトライはできると思った。もっと強い相手だったら、トライすべきだったかどうかは分からない。親善試合だったらどうか。それはイエスだが、2次予選で愚かなことはできない。

 私は(0−0に終わった昨年6月のホームでの)シンガポール戦を忘れていないし、選手たちにも繰り返し伝えてきた。誰も勝利をプレゼントしてはくれない。とにかく、こういった機会で試してみたかった。2〜3人の選手が遅れて合流してきたため、彼らをプレーさせるリスクなど、いろいろな要素も含めて考えた。原口(元気)を少し真ん中気味で使ったのも新しい試みだ。柏木を少し前めにして、2人のFWを同時に起用して、いろいろなことにトライしてみた。これでグループ(の選択肢)が豊富になる。監督として、すべての可能性をトライしておかないといけない。

──先制点まで43分かかった。シンガポール戦のことが脳裏をよぎったのではないか?(大住良之/フリーランス)

 皆さんと同じでシンガポール戦のことを思い出した。ただ、アグレッシブさとやる気の部分で違っていた。彼らは5秒すら惜しまず努力して点を取ろうとしていたので不安はなかったし、点を取るだろうという確信はあった。選手が疑問を持つのではないかという不安はあったが、相手がフィジカル的に落ちてきて、スペースが広がってきていた。本田(圭佑)も準備していた。後半はスピードアップしていたので、結果はロジックだった。7点目、8点目が入っていればノーマルだったと思う。皆さんにも少しは評価してもらえるとうれしい。私を批判してくれても構わないので、チームを褒めてほしい。今日はチームのスピリットが素晴らしかった。このチームを誇りに思うし、このチームで成功したい。

広報スタッフからクライフ氏の死去を告げられて

 これは悲しいニュースだ。歴史に残る偉大な選手が亡くなった。彼とはカンプ・ノウでの世界選抜の試合で一緒にプレーしたことがあった。私は素晴らしいゴールを2つ決めたが、主審は私のことを嫌っていたので認められなかった。彼は素晴らしいプレーヤーであり、クリエーターであった。現代フットボールにさまざまなものをもたらしてくれた。家族の皆さんに深くお悔やみの言葉を申し上げたい。

 それから今日は大仁邦彌会長にとっても、最後の代表戦だった。大仁会長と霜田(正浩)技術委員長が私にコンタクトをとってくれて、(監督就任後も)私をサポートし続けてくれた。私が平穏に仕事をすることができたのも、彼らのおかげだ。男子、女子に関わらず、日本のフットボール界に大いに貢献してくれた。本当に深く感謝を申し上げたい。それから原(博実)さんもJFAからJリーグに移ったが、彼にも感謝している。ありがとうございました。

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