【FMW】 観衆満員&ベルト奪還で団体存続決定 次回後楽園でFMWvs.UWF軍が激突

ミカエル・コバタ

手負いの大仁田が勝利奪いベルト奪取

大仁田(中央)ら、FMW軍がベルトを奪還し、解散を回避した 【ミカエル・コバタ】

 まさに断崖絶壁。会場が満員にならないか、またはメーンイベントでFMW軍が敗れた場合は、団体解散が突きつけられていた超戦闘プロレスFMWの2.26後楽園ホール大会。

 そのメーンで、FMW認定世界ストリートファイト6人タッグ王座を懸けて、FMW軍の大仁田厚&保坂秀樹&ショーン・ギネス(ZERO1)=挑戦者組=が、W★INGモンスター軍の雷神矢口&NOSAWA論外&サブゥー=王者組=と、ストリートファイト有刺鉄線ボード&バリケードマット・バンクハウストルネード・ランバージャック+公認凶器OK+興行収益700万円争奪6人タッグデスマッチで激突。

サブゥーへ机上パイルドライバーを決める大仁田 【ミカエル・コバタ】

 大仁田は開始間もなく、サブゥーに机上パイルドライバーを炸裂させるなど先制攻撃。さらに、北側ステージ席で、NOSAWA論外にも、机上パイルドライバーを見舞ったが、不運にも、横にあった机の脚の角が当たり、右脇腹を裂傷するケガを負った。

 手負いの大仁田は、場外のバリケードマットに落とされるなど窮地に陥ったが、形勢逆転すると、論外を捕獲し、サンダーファイアーパワーボム5連発。死力を振り絞った論外がカウント2で、肩を上げると、有刺鉄線バットで殴りに来た矢口に毒霧噴射。間髪入れず、ラリアットを叩き込んで、矢口から3カウントを奪った。

高山&長井が乱入 UWF軍との抗争へ

試合後、長井らUWF軍が乱入。FMWとの全面戦争へ 【ミカエル・コバタ】

 1.24新木場でW★INGモンスター軍に流出した王座を奪還したFMW軍だが、勝利の余韻に浸っている間もなく、高山善廣と長井満也のUWF軍が乱入し、大仁田を襲撃し、宣戦布告。実は大会前日、“UWF”を名乗る人物より、後楽園大会に来場する旨の怪文書が、FMWオフィスに届いていたのだ。

 午後6時15分頃、正面入り口の受付に現れたのは元UWFの長井だった。長井が現れると、山近義幸代表は「チケット持ってますか?」と対応。長井は「レスラーなんだから入らせてもらうぞ。チケット、チケットって、オマエは神新二(元UWF社長)か!」と激怒し、山近代表の胸ぐらをつかみ押し問答。最後は長井がチケット代をテーブルにたたきつけて、“観客”として入場していたのだ。

山近義幸代表は「チケット持ってますか?」と対応され、激怒する長井 【ミカエル・コバタ】

 思えば、1988年12月22日、UWFの大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ大阪)に、大仁田が「格闘技連合」の使者として、挑戦状を携えて訪問したものの、対応に当たった神社長から、「チケット持ってますか?」と言われ、門前払いにされたことがあった。大仁田は、そのときの屈辱をバネに、後にFMWを旗揚げ。格闘技志向のUWFへのアンチテーゼとして、デスマッチ団体FMWを新日本プロレス、全日本プロレスに次ぐ第3勢力まで押し上げた過去があるのだ。

 長井は、そのUWFに入門し、リングスでデビュー。高山は旧UWFに入門し、UWFインターでデビューしており、ともに純然たる“UWF戦士”なのだ。

 怒りに震える大仁田は、「高山、長井、そんなに俺とやりたいなら、4.27後楽園でやってやる。船木(誠勝)も連れてこい! FMWは胸いっぱい、(来年)5.5まで駆け抜けていきます」とマイク。

 この非常事態に、山近代表は4.27後楽園でFMWとUWF軍の全面対抗戦を行うことを緊急決定した。

 折しも、大仁田は3月6日に徳島市立体育館で開催される「アレクサンダー大塚20周年記念興行」で、保坂、マグニチュード岸和田と組み、大塚&船木&冨宅飛駈のU系軍と対戦する。その結果次第では、大規模な対抗戦に発展する可能性も秘めている。

 再旗揚げ1周年記念興行となる4.27後楽園は、FMWとUWFによる異次元の闘い模様が繰り広げられることになる。

 なお、観衆は昨年12.22後楽園大会同様、1800人を動員。満員となったため、団体解散は回避された。

ニタ「バラモン兄弟に宣戦布告」

ニタはバラモン兄弟へ宣戦布告 【ミカエル・コバタ】

 スペシャル巫女ディーバ・紗倉まなさん(セクシー女優)を伴った、滋賀・賀茂神社の禰宜・岡田能正さんに召喚されたグレート・ニタは、佐野直と組み、シュウ&ケイのバラモン兄弟と対戦。ニタはバラモン兄弟のお株を奪うボウリングのボール攻撃などを繰り出したが、佐野がケイのジャックナイフに丸め込まれて敗退。ニタは代理人を通じて、「ニタの兄弟を連れてくる。バラモン兄弟に宣戦布告する」とのコメントを出した。

ダンプがFMW女子軍を血祭り

ダンプはモンゴルを流血させ、担架送りに 【ミカエル・コバタ】

 FMW女子の看板を背負い、ダンプ松本&ZAP・Tの極悪同盟と担架デスマッチで対戦したミス・モンゴル&ミス・コハルのモンゴル軍だったが、モンゴルがダンプのフォーク攻撃で大流血。ダンプが肩車で担ぎ上げたモンゴルめがけ、ZAP・Tがトップロープから一斗缶で頭をたたきつけると、モンゴルは半失神で担架送りとなり敗退。ダンプは「モンゴル軍、それでヒールか! 笑わせるな。ヒールは、そんな甘いもんじゃない。次はこんなものですむと思うな。電流爆破をもう1度やって、大仁田さんを潰してフォールを獲りたい」とマイク。

Ray「このリングに戻ってくることを誓います」

悪性脳腫瘍で長期欠場が決まったRayは「必ず戻ってくる」と約束 【ミカエル・コバタ】

 そのほか、悪性脳腫瘍で長期欠場が決まったRayがコスチューム姿でリングに上がり、「プロレスラーとして、悪性脳腫瘍と闘い続けます。再び、このリングに戻ってくることを誓います。しばらくの間、待っていてください」とあいさつした。

 田中将斗は初参戦の鈴木鼓太郎と組み、橋本友彦&バッファローのW★ING軍と対戦。田中が必殺のスライディングDで、バッファローを蹴散らした。

 日本デビュー戦となったラストサムライは、越中詩郎、リッキー・フジと組み、高山&W★ING金村&那須晃太郎のW★ING軍と激突。ラストサムライは場外にいた那須めがけて、トップロープからムーンサルトアタックを決めるなど奮闘。最後は越中がパワーボムで那須を仕留めた。

 第1試合で行われた超高速バトルロイヤルは、菊地毅が優勝し、自身の28周年を勝利で祝った。試合後には、演歌女子ルピナス組がリングに上がり、歌を披露し、花を添えた。

 山近代表に対し、執ように参戦要求を続けていたKENSOは屈辱の第0試合に組み込まれ、雫有希と組み、五所川原吾作&花月と対戦。ラリアットで吾作を沈めると、山近代表をリングに上げ、またも缶ビールで頭を殴る暴挙。「やれるもんならやってみろ! 山近はプロレス業界の修行が必要だ!」とKENSO。

 試合開始前に、年内で引退する金村が会見し、引退興行が12.27後楽園に決まったことを発表。同大会は所属するアパッチ・プロレス軍の興行ではなく、自身のプロデュース興行となる。カードについては「田中、黒田(哲広)と組んで、佐藤耕平、関本大介、鷹木信悟とやれたらいい」と希望。
■超戦闘プロレスFMW「栄光は誰のために」最終戦「2.26FMW事変〜満員にならなかったら、即刻、解散スペシャル!!」
2月26日(金)東京・後楽園ホール 観衆:1800人(満員)


<第6試合 FMW認定世界ストリートファイト6人タッグ選手権試合〜ストリートファイト有刺鉄線ボード&バリケードマット・バンクハウストルネード・ランバージャック+公認凶器OK+興行収益700万円争奪6人タッグデスマッチ 無制限1本勝負>
[王者組]●雷神矢口、NOSAWA論外、サブゥー
(18分21秒 ラリアット→体固め)
[挑戦者組]◯大仁田厚、保坂秀樹、ショーン・ギネス
※矢口組が初防衛に失敗。大仁田組が第4代王者となる

<第5試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
◯田中将斗、鈴木鼓太郎
(14分13秒 スライディングD→片エビ固め)
橋本友彦、●バッファロー

<第4試合 6人タッグマッチ 45分1本勝負>
◯越中詩郎、リッキー・フジ、ラストサムライ
(11分18秒 パワーボム→エビ固め)
高山善廣、W★ING金村、●那須晃太郎

<第3試合 FMW女子プロレス 担架タッグマッチ 30分1本勝負>
◯ダンプ松本、ZAP・T
(12分11秒 担架送り)
●ミス・モンゴル、ミス・コハル

<第2試合 妖怪大戦争〜東京絵怖プロレス物怪録〜 タッグマッチ 30分1本勝負>
バラモン・シュウ、◯バラモン・ケイ
(6分57秒 ジャックナイフ式エビ固め)
グレート・ニタ、●佐野直

<第1試合 超高速バトルロイヤル 11人参加 時間無制限>
◯菊地毅
(9分26秒 火の玉ボム→エビ固め)
●プリティ太田

※退場順=レザーフェイス、戸井克成&木更津ピエロ、ワイルドセブン、雷電、菊タロー&翔太、パンディータ、Mr.ブッタマン

<第0試合 ミクスドタッグマッチ 30分1本勝負>
◯KENSO、雫有希
(10分20秒 体固め)
●五所川原吾作、花月
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