さらばリーガ・エスパニョーラの優勝争い バルサについていけなくなったマドリー勢

今季中の巻き返しは不可能

レアル・マドリーはジダン(右)の監督就任で改善が見られるが、もはや今季中の巻き返しは不可能だ 【写真:ロイター/アフロ】

 いずれにせよ、レアル・マドリーが狙う唯一のタイトルはCLである。敵地で行われた決勝トーナメント1回戦の第1戦でローマを2−0で下したことにより、8強入りはほぼ確実となっている。ただレアル・マドリーにとってCLの8強入りは当然のノルマである。そしてもし、今季のCLで良い成績を残すことができなければ、フロレンティーノ・ペレス会長は昨夏に下した決断によって高い代償を払うことになるだろう。

 レアル・マドリーの長い歴史においても、ここまではっきりと監督の人選を誤ったことは稀だ。チームは、ラファエル・ベニテス前監督のプレー哲学を受け入れられなかった。ジダンの監督就任によってある程度は良くなってきたものの、もはや今季中の巻き返しは不可能である。

 リオネル・メッシを2カ月もケガで欠きながら、着々とチーム力を高めてきたバルセロナには、もはや新たなリーグタイトルへ向けた障害がほぼなくなったと言える。13節を残し、もうリーガ・エスパニョーラの優勝争いは決着がついてしまった。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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