10を背に盟友のリベンジを誓う高木善朗 東京Vの背番号にまつわるストーリー
レジェンド・ラモスが背負った10番
かつてはクラブのレジェンドであるラモス瑠偉がつけた背番号10。今季は高木善朗が背負う 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】
クラブを代表するエースナンバーであり、レジェンドであるラモス瑠偉がかつてつけた番号であり、他とは格段に重みが違う。いまだに「ヴェルディの10番」といえば、肩をいからせてドリブルするラモスの姿を想起する人が多いに違いない。言い換えれば、1990年代のラモスの輝きを超えるプレーヤーが現れていないということだ。それはJ1リーグ初代王者である東京Vのちょう落とも無関係ではない。
92年生まれの高木の頭に浮かぶ10番もまたラモスだった。
「10番と言えば、やはりラモスさん。実際に(東京Vで)活躍する姿を見た記憶はなくても、頭に定着している。自分のイメージする10番は自ら点を取り、周りにも点を取らせる選手。大事な背番号を任された責任を感じます」
冨樫剛一監督から背番号の話があったのは、若手組が練習をスタートさせた1月12日だった。朝、クラブハウスのコーチ室の前を通りかかった高木は、唐突に呼び止められる。
「ヨシアキ、10でいいか?」
冨樫監督は軽い口調で言った。突然のことに高木は戸惑い、答えに窮した。「なんだ、やれないってことか?」と、からかうように言われ、高木はそんなことはないと首を横に振る。話はそれで決まりだった。
盟友・小林祐希も背負った東京Vの10番
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