高橋が懇願してまで譲ってもらった14 鳥栖の背番号にまつわるストーリー

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大きく見えた背番号14

鳥栖に戻った高橋は4シーズンにわたり28番を背負ったが、今季からはまた14をまとう 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】

 1985年に長野県で生まれた高橋義希。今では、誰もが認める“ミスターサガン”である。2016年シーズンに背負う背番号は「14」。実は、この番号に深い愛着がある。愛着と言うよりも、自分自身が奮起するためのものでもある。

 松商学園高出身の高橋は、02年の全国高校サッカー選手権大会は県大会決勝で敗れたが、対戦相手の監督に認められ、04年にサガン鳥栖に加入することになった。その対戦相手の監督というのが、04年から鳥栖の監督に就任した松本育夫であった。

 もらった背番号は28だった。いくら才能あるルーキーといえども、若い番号をもらえるほどプロフェッショナルの世界は甘くない。しかし、その才能を高く評価していた松本は、ルーキーである高橋を起用し続けた。ルーキーイヤーにリーグ戦27試合出場した高橋は、翌年に13番を背負うことになる。

 加入1年目から活躍する高橋を弟のようにかわいがっていたのが、GKシュナイダー潤之介(現ザスパクサツ群馬GKコーチ)だった。当時、シュナイダー潤之介は背番号14をつけており、キャプテンでもあった。兄のように慕っていたシュナイダー潤之介、その人柄とキャプテンシーはルーキーには大きなものに見えていた。もちろん、背番号14も……。
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著者プロフィール

サッカーライター・サッカー解説者。中学1年生よりサッカーを始める。福岡市社会人リーグでは、主にFWとして活躍。その後、社会人リーグのチーム監督を務め、2001年に福岡市長杯3位の成績を収める。日本サッカー協会公認コーチ資格、審判資格も取得し選手育成に力を注ぐ。これまでに福岡県協会女子連盟トレセンU-12、U-15を指導。2004年には福岡県U-18女子代表コーチに就任。2010年には福岡Jアンクラス(Lリーグ)のサテライトチーム監督に就任。2011年からは、福岡県社会人サッカーリーグ選抜監督に就任し、福岡県社会人リーグの強化に努める。ライターとしてJリーグ公式サイト「J ’sGOAL」や「週刊サッカーダイジェスト」「週刊サッカーマガジン」「EL GOLAZO」など多数の専門誌に寄稿。スカパーでの中継ではサガン鳥栖やアビスパ福岡ホーム戦解説を担当するなど多才に活躍中。

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