アカデミー出身の奥埜博亮に託された7番 仙台の背番号にまつわるストーリー

板垣晴朗
アプリ限定

仙台一筋15年、千葉直樹氏の後を受け継ぐ

長年背負った千葉の思いが詰まった背番号7。現在は仙台アカデミー出身の奥埜博亮がつけている 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】

 かつて、ベガルタ仙台における背番号7の代名詞といえば、千葉直樹(現フットサルFリーグ・ヴォスクオーレ仙台)という選手だった。

 ベガルタ仙台の前身であるブランメル仙台に1996年に加入、それから仙台一筋で15シーズンを戦った。2010年を最後にJリーガーを引退したときに、彼はこう話していた。

「クラブには『7番を永久欠番にはしないでほしい』と言ったんですよ。新しく、この番号を背負って、愛される選手が出てきてほしいですから」

 その一方で、7番を背負ってJ2からクラブの成長の歴史を知る千葉は、心配も口にしていた。「今はまだ少ないけれど、アカデミーや地元出身選手がもっと出てきてほしい」。7番はそうした選手につけてほしいという期待も感じられた。

 しかし11年にはまだ、トップチームで7番をつける選手は出てこなかった。そして7番の“後継者”は、12年に加入した選手に現れた。

 奥埜博亮。ジュニアユースから仙台のアカデミーで育ったMFだ。トップチームの試合日には、ボールボーイとして、千葉らを間近に見て、憧れてきた。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

1974年1月8日生まれ。仙台を中心に、全国各地のスタジアムと喫茶店をめぐるJリーグ登録フリーランスライター。なでしこリーグやJFLなども取材する。大学院時代の研究テーマとのつながりから、ドイツ・ブンデスリーガ取材にも赴く。著書に『在る光 3.11からのベガルタ仙台』(スクワッド EL GOLAZO BOOKS)など。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント