「柔よく剛を制す」久我山が初戦突破 チームを下支えする“三栖トレ”の効果
最も目立った小柄なMF
ゴールを決めた内桶(8番)とともによろこぶ國學院久我山の選手たち 【写真は共同】
前半15分にコーナーキックからFW内桶峻(3年)が頭で合わせたゴールを守り切った國學院久我山。この試合で、最も目立っていたのが身長167センチと小柄なMF名倉巧(2年)だった。
「柔よく剛を制す」という言葉がある通り、 名倉は相手にボールを持たせながらも狙いを絞って厳しいプレスを仕向ける広島皆実の守備をひらひらと舞うようにかわしたかと思えば、球際では高さとパワーで到底敵わない相手をうまくいなしながらセカンドボールを含めて次々にマイボールとしていく勝負強さを見せつけた。
三栖フィジコの指導法
高い技術やパスワークに注目の集まる國學院久我山だが、それを下支えしているのが三栖英揮フィジコによる“三栖トレ”だ。清水恭孝監督が「久我山らしいサッカーをするためには、名倉のようなテクニックある選手たちが三栖の下で体を鍛えることが重要で、かなりの効果を感じている」と全幅の信頼を置く通り、2人は約7年コンビを組む間柄だ。
例えば、この日の名倉の局面での球際の強さについて三栖フィジコはこう説明する。
「まだ成長期で無理に筋肉を付けるべきではない小柄な名倉がこの舞台で通用するためには、体を強くするよりも瞬間的な頭の判断が必要です。局面で技術を使うのか、体を使うのか。その判断の精度を上げていけるような指導をしています」
三栖トレに2年取り組み、その効果を実感する名倉は「球際は筋肉量やパワーではなく技術で勝つもの。久我山に入って『フィジカル』という言葉の捉え方が変わりました」と口にする。2回戦以降も三栖トレによって支えられる名倉と國學院久我山の「柔よく剛を制す」フィジカルに注目だ。
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