【リアルジャパン】真っ向勝負を制した関本が第9代王者に 諏訪魔は継続参戦示唆「面白い奴いる」

長谷川亮

レジェンド王座を懸け、王者・船木(左)と挑戦者・関本が真っ向勝負 【中原義史】

 リアルジャパンプロレス「初代タイガーマスク黄金伝説 LEGEND OF THE GOLD III」が9日、東京・後楽園ホールで開催された。

 メインイベントは9月にスーパー・タイガーを破り第8代レジェンド王者となった船木誠勝の初防衛戦。“蘇ったサムライ”が大日本プロレスの“マッスルモンスター”関本大介を迎え、初防衛戦を行った。

パワーで押した関本がベルトを奪取

テクニックで勝る船木がスリーパーなどで関本を攻略しようと攻める 【中原義史】

 試合はレスリングを主体に静かな立ち上がりとなるが、この展開ではやはり船木が優位となり、バックに回ってのスリーパー、腕十字、三角絞めと仕掛けていく。しかしそこは関本、パワーを活かしてその度にロープまで運んでエスケープする。

 試合が激化したのは船木の張り手に対し、関本がその剛腕で逆水平チョップを見舞ってから。威力が想像以上であったか、顔をしかめた船木はローキック3連発から続いてハイキック。アゴに直撃され、白目を剥いたかの関本だったが、モンスターぶりを発揮して立ち上がると戦闘再開。

 船木は関本のパワーにミドルキックを中心とした打撃で対抗する。関本はこの蹴りを胸元に浴び、鈍い音がホールに響いたが、カウンターのラリアット、ダイビングボディプレス、サソリ固めと王者を攻め立てる。

 劣勢の船木だが、関本のブレーンバスター狙いを脇固めで切り返し、掌底連打、チキンウィングフェースロックと反撃に転じ、必殺ハイブリッド・ブラスターを狙うも、これは関本にこらえられる。ならばと船木はかつての対戦で関本に恐怖を植え込んだ浴びせ蹴りを放つが、これは十二分に警戒していた関本にかわされて不発。

 流れが船木に行くのを食い止めた関本は、延髄蹴り、ラリアット、垂直落下式ブレーンバスター、そしてアルゼンチンバックブリーカーとパワー技のフルコース。船木も隙を狙いスリーパーでギブアップを迫ったが関本の勢いは止まらず、船木のミドルを両手ブロックで叩き落として延髄蹴り、そしてそこからのラリアット。最後はぶっこ抜きジャーマンからそのまま固め、3カウントとともに船木が持つレジェンド王座のベルトを奪取した。

新王者・関本「自分には力しかない」

最後は関本がパワーで船木を押し切り、第9代王者に輝いた 【中原義史】

 船木の打撃と、自身のパワーが真っ向からぶつかり合った試合を制し、「大日本」コールも聞かれる中ベルトを腰にした関本。しかし、そこへ突如かつてのレジェンド王者・長井満也が登場。関本にベルトを懸けての対戦を迫り、やや迷った風の関本だったが長井が差し出した手を握り、「やってやろうじゃねぇか、次は長井の挑戦を受けます」とアピールを受諾。このまま第9代レジェンド王者・関本初防衛戦の相手が長井となるのか注目が集まる。

 試合後、関本は「うまく得意技に繋げられたので何とか勝つことができました。浴びせ蹴りを食らわなかったのが勝因だと思います。体幹というか芯が強くて、200キロ、300キロの選手に乗っかられているような感じで息苦しかったです。いつ足や腕を獲られるのか、秒殺を狙っている恐ろしい感じがしました。自分には力しかないので、力を磨いていってレジェンドのベルトを守っていきたい。荷が重いと思いますが、責務を果たせるよう精進します」とコメント。

 また次期挑戦者に名乗りを上げた長井に対しては、「長井戦は細心の注意を払って戦わないといけないと思うし、長井戦に向かってまた体を鍛えていきたい」とベルト防衛を意欲を示した。

諏訪魔「S・タイガーとはケリつけないと」

初参戦となった全日本・諏訪魔(右)は、「S・タイガーとはケリをつけないと」と継続参戦を示唆 【中原義史】

 セミファイナルでは初参戦となった全日本プロレスの諏訪魔と、前レジェンド王者であるスーパー・タイガーがタッグマッチで初対決(スーパー・タイガー&アレクサンダー大塚vs.諏訪魔&佐藤光留)。

 リングイン時、コール前と早くも視殺戦を展開し、互いに強く意識するS・タイガーと諏訪魔。諏訪魔がダブルチョップ1発でなぎ倒し、抱え上げ式バックドロップ、ラリアット、フロントスープレックスとパワーの差を見せつけるが、タイガーはソバットからのハイキックを側頭部にクリーンヒットさせ、これに諏訪魔はダウン。その間に佐藤をタイガースープレックスで沈め、試合を決めた。

 試合後、タイガーと何やら言葉を交わしてリングを降りた諏訪魔は控え室で、「外にも面白い奴がいるなって率直に感じた。全日本の中だけじゃ経験できないことが経験できた。スーパー・タイガーの蹴りも効いた」と、その実力を評価。「まだまだいろいろなプロレスを経験していきたい。どんどん外に出ていきたい」と今後も他団体との戦いに意欲的で、「スーパー・タイガーとはケリをつけないといけない」と語り、リアルジャパンへの継続参戦を匂わせた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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