羽生結弦「自分の限界に挑戦したい」 NHK杯出場の日本勢、心境を語る

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宮原「自分に勝てるように頑張りたい」

浅田(右)を退け優勝した宮原。シニア参戦3年目を迎え、心に余裕も出てくるようになった 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

(一夜明けて)とてもうれしい気持ちと、これからすぐにファイナルがあるので気持ちを切り替えないといけないと思いました。自分のできることをしっかり試合で出せれば、世界のトップの選手とも争える点数を出せると分かったので、自信を持って毎回の試合でしっかりできるようにしていきたいです。(点数が上がった要因として考えられるのは)シニアに参戦してから少しずつなんですけど、表現や技術のレベルが上がってきているのが1つの要因かなと思っています。

(去年との違いは)表現面では今回はステップもレベル4を取りたいという気持ちがありました。試合ではこけたくないといつも抑え気味にしてしまうところも、今回は思い切って体を大きく使うようにしました。去年よりも余裕というほどではないですけど、そういう感じが出てきたかなと思います。シニアでもだいぶ入り込んでいけるようになったので、どんどん前向きにやっていこうと思えるようにもなりました。(合計で200点を超えて感じたことは?)スケートアメリカのときに細かいミスや転倒なんかがあったんですけど、188点だったので、絶対にしっかりやれれば200点を超えるというのが自分でも分かったんです。今回は特にしっかりやろうという気持ちが強くて、本当にできたので200点を超えられてうれしかったです。でもまだ200点とちょっとなので、毎回200点を超えられるようにこれから練習したいです。

(開き直れたのか、気持ちが変わったのか?)両方あると思うんですけど、練習から調子も良かったし、でも1戦目からあまり調子が良くなかったので、それもあって思い切っていけたと思います。(GPファイナルの顔ぶれについて)本当に全員が素晴らしい選手なので、自分もしっかり食い込んでいけるように思い切り滑りたいです。(誰に勝ちたい? 去年の世界選手権でエレーナ・ラジオノワに勝って、今回は浅田真央に勝ったが?)う〜ん、自分に勝てるように頑張りたいです(笑)(世界で勝つための最大の武器は)大きなミスが少ないことだと思います。

(今季の課題は表情作りだった。どう課題をクリアしてきて、今後はどうクリアしていく?)今までパントマイムをやったり、バレエをやったり、表現の面でいろいろな先生に習ってきました。魅せ方とかを勉強して1年ごとにだいぶ良くなってきていると思うんですけど、まだまだ海外の選手に比べたら控えめな感じがあるので、そこを弾けられるようにしたいです。(うれしくて夜が眠れないなどあったか?)すごくうれしかったんですけど……なんか複雑な感じでした(笑)。(勝っても弾けられなかった?)帰ってからはいつも通りの感じでした(笑)。(控えめな性格を変えるのは難しいと思うが、普段から意識しているのか?)性格を変えるというよりも、本番の自分は別の自分だと思って、違う人物になって踊るようにしています。

浅田「新しい自分をファイナルで見せたい」

NHK杯では満足のいく演技ができなかった浅田だが、次戦のGPファイナルへ視線は前を向いている 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

 いろいろ考えた結果、やっぱりやるしかないなというふうに思っているので、また新たな気持ちで、リフレッシュして臨みたいと思います。(眠れた?)試合が終わった日は眠れないことが多いので、そういった意味では考える良いチャンスになったかなと思います。この試合で、この会場で自分が目指す演技ができなかったので、すごく申し訳ない気持ちが強いですけど、終わってしまったことはエキシビションでけじめとして置いてきたので、次また新しい自分をファイナルで皆さんにお見せできるように、1日1日頑張りたいと思います。

(新しい自分とは)まだ終わったばかりで、ファイナルへの目標としては自分の演技のエレメンツを決めることだと思うんですけど、その前にはまず毎日、先のことよりも目の前のことを考えて全力で練習することだと思っています。(これまで通りやっていく?)自分のエレメンツとしてはこのままいくつもりですけど、練習としては、自分ができるところまで練習していきたいと思います。(追い込む型?)とことんやる型になると思います。自分が望んで戻ってきた舞台なので、私自身は昨日のような気持ちは忘れようと思います。自分が目指すものを目指していくという気持ちを持ちたいです。試合というのは実力がすべて出るものだし、それが自分の実力だと思っています。だけど、日々の積み重ねの確実性が自分の自信になると思うので、試合でどうするというよりも毎日やるべきエレメンツを確実にできるかが、自分の自信につながってくると思います。

(技術の進化がすごいが、女子はどうなると思う?)毎年毎年レベルは上がってくると思うし、男子もすごいレベルに来ています。スケート界はずっとそうなので、そういう選手は尽きないんじゃないかと思います。私は今までトリプルアクセルをずっとやってきて、自分の中では自分ができる一番強みのジャンプとしてやってきたんですけど、ようやく今年、自分のアクセルが安定した中で、今回こういう失敗をしてしまったことは悔しい結果になってしまったと思います。でも、焦らず自分のペースでやっていけばいいのかなとも思います。(課題としては)自分の中で感じていることは、自分にとって一番レベルの高いジャンプを3つ組み合わせることが一番の壁になってくるので、それを日々の練習で確実にやっていくことが本番につながると思っています。

(佐藤信夫コーチと話したことは)先生も「私の今の気持ちがまだ分からない」という話からスタートしたんですけど、やはり結果として単発では質の良いジャンプが跳べてきているから、あとは曲を入れての確実性を上げていかないと、という話はありました。(昨日いろいろ考えたとは、どういうことを考えたのか)う〜ん、マイナスのことも考えて、プラスのことも考えて、トータル的にいろいろ考えた結果、もう考えるのはやめようと(笑)。自分が望んできた舞台なので、自分が目指すものをただやるしかないという気持ちになりました。

(アクセルの調子がバロメーターになっているのか?)それだけではないですけど、まだ演技を通した中で自分の確実性というのが不十分だったのかなと思っています。(スペインはどういうイメージ?)行ったことないんです。バルセロナ五輪は聞いたことがありますけど……あとはスペインバルというイメージです(笑)。(ソチ五輪のシーズンと比べて、進化したと感じるか?)まだ始まったばかりで、自分でも最初のシーズンからどうなのかなという思いでスタートしているので、どうなっているのか自分でも分かりません。でも、自分が目指すものをとことんやっていくことが自分のやりたいことなのかなと思います。

(初めて出たファイナルから10年経つが?)10年って長いようですごく早いなと思いますし、10年経った今では出ているスケーターも全然違います。当時は私が最年少でしたけど、今度は自分が一番年上でファイナルに行くので、まず自分の目指す演技、やるべきことをしっかりやっていきたいと思っています。

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