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初開催「プレミア12」に関心なかった米国
今後へ最高峰MLB選手の参加は不可欠

愛国心の強い選手は大会に好意的

40人ロースターに含まれない選手で構成されたアメリカだが、熱いプレーでファンを魅了した
40人ロースターに含まれない選手で構成されたアメリカだが、熱いプレーでファンを魅了した【Getty Images Sport】

 もっとも、将来的なことを考えれば、MLB、選手側の姿勢が変わる可能性がないとは思わない。もともと一部のメジャーリーガー、特に愛国心の強い中南米の選手は、アジアの各国同様に国際大会に実は好意的だ。アメリカ人の中にも、国を背負ってプレーすることを名誉と感じる選手がいないわけではない。 


「MLBと選手会が自分たちが利益を得る大会(WBC)だけの参加を奨励し、他のイベントへの出場をブロックしてしまうのは見栄えが悪い」

 参加、不参加が決定していなかった1月の時点で、「FOXスポーツ」のジョン・ポール・モロシ記者はそう述べていた。WBC優先というポリシーは変わらずとも、実際にMLBもそこまで閉鎖的ではないはずだ。

ドリームチームは無理でも若手なら!?

 諸事情を考えれば、アメリカがドリームチームを送り込むことはまず有りえそうもない。ただ、出場すれば選手側になんらかのメリットがあると考えられる環境が整いさえすれば、選手はプレーを望み、MLBも徐々に協力的になることは十分考えられる。


 例えば“メジャー2〜3年目までの選手たちの出場は可”といったルールを付け加えれば、その時には、少しでも実戦経験を積みたいプロスペクト、商品価値をアピールしたい若手には魅力的な場になる。


 今季の夏場以降にメジャーに上がったコリー・シーガー(ドジャース)、マイケル・コンフォート(メッツ)のようなスーパースター候補が出れば、所属チームのファンは確実に興味を持つだろう。母国のウィンターリーグでプレーを続けるラテン系の若手選手に関しては、もう言わずもがなである。

“選手が出たい”舞台にするために

 昨今は投手の負担減少が声高に叫ばれていることもあり、ベースボールの国際大会には開催時期の難しさが常に付きまとう。アメリカのメジャーリーガーにとって、11月開催はやはり理想的からはほど遠い。ただ、選手はほぼ確実に調整不足、チーム側も開幕へのチーム作りに懸命な3月よりは、11月の方がベターではないか。シーズン終了後から本戦までのブランクの問題も、事前に承知していれば春先より準備は容易だろう。


“MLB以外がプレミアのブランドを確立していけば良い”。そんな開き直った声も聞いたことがあるが、この大会が“チャンピオンシップ”“世界大会”と銘打たれているのであれば、最高峰のリーグであるMLBの選手が参加した方が良いに決まっている。著名選手の出場が増えれば、大会の格も上がり、さらに多くのスターがプレーを望むようになる。


 まずは大会自体が、“選手が出たい”と感じるだけの体裁を整える必要がある。現在の無関心度を考えれば、WBCよりもさらに時間はかかるはず。しかし、国際試合には、やはりわかりやすい面白さがあるだけに、将来的に好循環が生まれても不思議はない。カギを握るメジャー選手登場に向けて、長い目で、プレミア12の舞台が魅力的に研ぎ澄まされていくことを期待したいところである。

杉浦大介
杉浦大介
東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)