K-1卜部兄弟が2度目の対決へ意気込み 王者・功也「兄弟の関係がぶっ壊れてもいい」

K-1実行委員会

K−1−60kg王座をかけ8カ月ぶり兄弟対決

K−1 WORLD GP−60kgタイトルマッチで兄・卜部弘嵩と初防衛戦に臨む王者・卜部功也 【(C)K-1実行委員会】

 11月21日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K−1 WORLD GP 2015 IN JAPAN 〜THE CHAMPIONSHIP〜」。K−1 WORLD GP−60kgタイトルマッチで対戦する王者・卜部功也と、挑戦者で兄の卜部弘嵩のインタビューが届いた。
 両者はことし1月のK−1−60kg初代王座決定トーナメント決勝戦で対戦し、功也が3−0の判定で兄を下し初代王者となったが、9月のKrushで60kg王座を防衛した弘嵩が功也に挑戦をアピールし、2度目の対戦が実現することになった。

兄弟関係なしに卜部弘嵩にしっかり勝ちたい

――初防衛戦の相手が弘嵩選手に決まりました。防衛戦が兄弟対決になるかもしれないという覚悟はありましたか?

 そうですね。ずっと兄が(王座挑戦を)言い続けていて、兄はすごく負けず嫌いですし、どこかで覚悟を持たなければいけないと思っていました。

――弘嵩選手が9月のKrush後楽園大会で勝利したあと、マイクで功也選手に対戦アピールし、功也選手もそれを受けて立つ構えを見せました。

 あの時にもう兄とやるんだろうなと思いました。兄はタイ修行まで行って気合を入れていたので、これは避けられないなと思いました。

――1.18代々木のK−1 WORLD GP−60kg初代王座決定トーナメント決勝で兄弟対決が実現したことで、2人の関係性は変わりましたか?

 一緒に練習することがなくなりましたね。お互いに意識していたんだと思います。

――同じ道場で練習していても、お互い何をやっているか分からないという状態ですか?

 そういう感じです。どんな練習をしているかも分からなかったです。今までは兄と練習内容やテクニックについて相談や話し合いをすることもあったのですが、そういうことは一切なくなりました。

――前回はトーナメントの決勝戦でしたが、今回はお互いノーダメージで戦うことになります。1月とは違う試合になると思うのですが、どんなことが頭に浮かびますか?

 もちろん僕は兄の強さを分かっているし、その分、兄の弱さも分かっています。僕自身、今までよりもさらにレベルアップしているので、兄弟関係なしに卜部弘嵩という対戦相手にしっかり勝ちたいだけです。

――例えば決勝で勝った相手に防衛戦でも勝てば、文句なしの完璧なチャンピオンになると思います。

 この試合が終わって兄弟の関係がおかしくなろうと、僕はプロとして勝つことしか考えられないです。

試合が終わった後に普通の兄弟に戻れなくてもいい

1月の初対決では3−0の判定で功也が−60kgK−1初代王者に 【中原義史】

――功也選手は格闘技を始めた頃、弘嵩選手のことを目標にして追いかけていましたか?

 格闘技を始めるきっかけも兄だったし、プロになってからも兄について行って……そんな感じでした。

――ただK−1甲子園で活躍して、先にプロでも注目を集めたのは功也選手だったように思います。

 僕は上手くいきすぎたかなって感じだったんですけど。兄も10代でアマチュア大会でチャンピオンになってプロデビューして、少し勝てない時期もありましたが、Krushでチャンピオンになって……兄のそういう姿を見てきて、最後まであきらめない気持ちの強さを知っています。1月のトーナメントで僕に負けた後も、あきらめずに僕との対戦をアピールし続けて実現させたので、また強くなっているんだろうなと思います。

――いつかは兄に勝ちたい、超えてやろうという思いはあったのですか?

 僕の中ではなかったんですよね。兄は兄、僕は僕だったんで。でも1月のトーナメントで兄に勝って、K−1のチャンピオンになって考えが変わりました。僕はK−1のベルトを獲って、もっともっと強い相手と戦いたいし、誰よりもこのベルトを防衛したい。そこは誰にも譲れません。

――兄弟対決で弘嵩選手が変わったように、功也選手も変わったわけですね。K−1のベルトを巻いて、K−1チャンピオンとしての自覚や覚悟は強くなりましたか?

 はい。兄弟だろうが、このベルトを譲るつもりはありません。

――弘嵩選手に自分にはもう敵わないと思わせたいですか?

 一人の対戦相手に対して、いつも通り触れさせずに勝つ。それを貫きたいと思います。

――今大会は全4階級のタイトルマッチが並び、それぞれ比較される部分もあると思いますが、功也選手はどんな試合を見せたいですか?

 先ほどの繰り返しになりますが、今回も触れさせずに勝ちます。兄だろうが誰だろうが関係ないです。それが僕のスタイルです。

――前回の兄弟対決は感動的な終わり方でした。今回は試合が終わった後、どうなっていると思いますか?

 どうなるんですかね……僕も想像できないです。でも僕は前回より覚悟を持っているんで、感動とか関係ないです。意地ですよね、もう。あっちは兄や選手としてのプライドで、一度負けた相手に負けられないだろうし、何が何でもK−1のベルトを巻きたいと思っているでしょう。でも僕も一人の選手としてこのベルトは誰にも譲れないし、誰が相手でも負けたくない。そういう意地と意地のぶつかり合いですね。だから試合が終わった時にどうとか考えてないです。意地でもこのベルトを守って勝つ。それしか考えられません。

――兄弟ではなく血がつながっていない相手を殴るような感覚ですか?

 僕の中では完全にそういう考えになっていますね。僕は兄弟の関係がぶっ壊れてもいいと思っています。試合が終わった後に普通の兄弟に戻れなくてもいい。K−1のベルトにはそれだけの魅力があるし、きっと兄もそう思っていると思います。

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