K-1卜部兄弟が2度目の対決へ意気込み 王者・功也「兄弟の関係がぶっ壊れてもいい」

K-1実行委員会

弘嵩「功也の試合には魂がこもっていないし、すべてが軽い」

K−1初代王座決定トーナメント決勝で弟・功也に敗れた卜部弘嵩 【(C)K-1実行委員会】

――1.18代々木でのK−1 WORLD GP−60kg初代王座決定トーナメント決勝で功也選手に敗れた後、ずっと対戦をアピールし続けていたタイトルマッチでの再戦が実現しました。この8カ月間はどんな気持ちで過ごしていたのですか?

 こうして正式に決まりましたけど、ずっと(対功也を)頭の中でイメージしていて、それに向かって突っ走ってきた感じです。それがブレることはなかったし(功也に)負けた悔しさを1日も忘れることはなかったです。

――今までもいろいろな悔しい想いをしてきたと思いますが、あの敗戦は人生の中でどのくらい悔しい出来事でしたか?

 やはり兄弟なので2人で同じ場に立つことが多くて、そういう時にいつも感じていましたね。ベルトが獲れなかった時の悔しさを。

――試合が決まった時にはどんな気持ちにありましたか?

 僕の中ではイメージしていたことなんで当然なのかな、と。それだけです。

――この試合が決まってから、チームドラゴンの練習が二部制になったと聞きました。今までそういったことはあったのですか?

 初めてですね。さすがに対戦相手と一緒に練習するわけにはいかないんでしょうがないです。先輩や仲間たちには迷惑をかけてますけど、11月21日まで続けさせてもらいます。

――弘嵩選手は2013年12月に梶原龍児さんの引退試合で同門対決を戦ったことがありますが、その時も練習を分けることはなかったんですよね?

 そうですね。あの時は追い込み練習は一緒で、スパーリングの時に上手くかぶらないようにしていました。

――ではもう功也選手とは全く会わない状況ですか?

 会わないですね。そういう環境を作っていただいているので、いい集中ができた練習をしています。もともとあまり連絡することがなかったのですが、対戦を意識するようになって、イベントで顔を合わせそうになる時は「僕は行かないです」と断ることも多くなりました。

――今回の試合が決まってご両親からはどんな言葉がありましたか?

 やるしかないよねって感じですね。僕は父親と話すことが多いのですが、父親はそういった反応でした。母親はどうですかね……。複雑な気持ちとK−1の舞台で世界最強を兄弟で争うことを喜んでいる部分と両方あると思います。

――過去を振り返ると、先にプロデビューしたのは弘嵩選手ですが、注目を集めていたのは功也選手だったように思います。当時、功也選手のことをどう思っていましたか?

 何も思わなかったですけど……僕にはそういう運がなかっただけなのかなってだけで。ただ直接対決で勝っちゃえば、関係ないと思っています。

――功也選手のことをうらやましいと思ったり、コンプレックスを持つことはなかったですか?

 それも次の試合で変わるんじゃないですかね。地上波で「新K−1伝説」も始まったし、次で勝てばこっちのもんかなって。トーナメントは1回戦・準決勝のダメージがあって、決勝では100パーセントの力を出せない部分があったんで、今度は文句なしの無傷の状態でやれるので楽しみです。

僕は甘っちょろい卜部功也しか知らない

「悔しさを1日も忘れることはなかった」とやる気満々の弘嵩 【中原義史】

――功也選手は「兄弟の関係が壊れてもいい」と話していたのですが、それについてどう思いますか?

 本当かなって思いますね。僕は甘っちょろい卜部功也しか知らないんで、僕のように精神状態を追い込めるのか?と思います。その言葉は本心じゃなくてただ強がっているだけだと思います。

――弘嵩選手から見ていて功也選手の甘っちょろいは変わらない?

 昔から変わらないですね。あの甘っちょろさは変わらないです。

――会見でも功也選手を見る目が兄弟を見る目ではなかったように思いました。

 完全に僕はやる気満々なんで。これで変な試合をしたり、また負けるような試合をするんだったら、1月から悔しい想いをして、この試合に向けてやってきた意味がないと思います。

――功也選手はK−1のベルトは兄弟の関係を犠牲にしても価値があるものと言っていました。弘嵩選手にとってK−1のベルトはどんなものですか?

 チャレンジャーなんで、ベルトはおまけですね。チャンピオンは試合も会場も盛り上げて、大会を成功させなきゃいけないと思いますけど、僕はチャレンジャーだから、お客さんを盛り上げるとか余計なことを考えずに、ぶっ倒しにいくだけなんで気持ちは楽です。

――ベルトが獲れなかったことより弟に負けたことが悔しかったのでしょうか?

 僕自身、納得できなかったんですよね。スカッとやられて負けたんだったら、それはそれでって思うんですけど……僕はあの試合に納得していない。功也のパンチも蹴りもすごく軽くて、全然負けた気がしてません。

――あの時は準決勝までのダメージもあったと思いますが、2Rが終わった時には自力で歩けないようになっていましたよね。それでも功也選手の攻撃は軽かったですか?

(即答で)軽かったですね。なんか……重みがなかったです。魂がこもっていないっていうか。確かにダメージはありましたけど、心が参るようなものじゃなくて、すべてが軽かったです。僕は今まで卜部功也の試合を見て、何も感じなかったし、実際に試合をやってみて、そう思いました。功也がチャンピオンになってからの試合を見ましたけど、何も伝えられていないし、卜部功也がチャンピオンのままだったら、K−1の他の階級にライバルがたくさんいるのに、メインは張れないんじゃないの?と思います。

――会見では功也選手に「危なかっしい選手」と言われていましたが、完全無欠のチャンピオンよりも、危なかっしくても倒して勝つ選手の方が魅力的なこともあります。弘嵩選手はそこをどう考えていますか?

 僕にとって判定で終わることが負けなんですよ。だから判定になりそうだったら、最後はリスクを背負ってでも強引に倒しに行くという責任があるんです。でも今のチャンピオン(功也)は、そういう責任を背負ってないんですよ。だから攻撃が軽いし、外国人選手を倒せないんです。

――今年2度目の兄弟対決になりますが、どんな試合を見せたいと思いますか?

 僕が勝つところをみんなに見てもらいたいです。1月18日から11月21日まで約10カ月、自分が思い続けたものをすべて試合に出して、そういう試合をすれば必ず見ているお客さんにも伝わると思うので、楽しみにしてほしいです。

――敵として見ている弟と試合が終わって、今までと同じ関係に戻れると思いますか?

 どうですかね。僕がK−1のチャンピオンになったら、Krushと同じようにK−1も引っ張っていかなければいけないので、忙しくて相手にしてられないですね。

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