渡部香生子を金メダルに導いた3つの要因 リオ五輪も内定、見せた笑顔と涙
充実した練習で得たゆるぎない自信
圧巻の泳ぎで金メダルを獲得した渡部香生子。リオデジャネイロ五輪代表にも内定した 【Getty Images】
2つ目は、レースにほど良い緊張感を持ちつつも、落ち着いて勝負を楽しめる状態で臨んでいたことだ。周りを意識しつつも、それに左右されるのではなく、各レースに戦略を持って臨み、それを遂行するべく自分の泳ぎに徹することができていた。渡部の決勝のレースプランは、ライバルとなるリッケ・ペダーセン(デンマーク)についていきながら、終盤に逆転するというもの。「これまで良い練習ができていたので、自分を信じて泳ごうと思いました」と自信を持っていた渡部。そのプランは現実のものとなり、ラストで失速したペダーセンを尻目に、2位のマイカ・ローレンス(米国)に1秒29差をつけて勝利した。
「(竹村吉昭)先生と話していた通りのレースです。プレッシャーの中で、想像どおりのレースができて満足しています。自分らしい泳ぎができました」(渡部)
決勝では竹村コーチ(右)と思い描いていた通りのレースを展開した 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
竹村コーチの言葉に涙
「これまであった緊張感やプレッシャーが一気にすべてなくなった感覚が最高です。これまでにないくらいスッキリとしています。今夜はもうぐっすりと眠れます」
ミックスゾーンでそう語った渡部は、最高の“カナコスマイル”を見せた。
(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)
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