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甲子園では分かっていても確認、再確認
漫画『クロカン』で学ぶ高校野球(2)

 野球に限らず、事前に想定しなかったことに急きょ対応することは難しい。まして、高校球児にとって夢舞台である甲子園で、事前に起こりうることを「確認」していても、極限の状態ではミスが起こる。だからこそ、プレー前の準備と確認を徹底する必要がある。型破りな指導をする監督・黒木竜次が主人公の高校野球漫画『クロカン』を通じて、高校野球の現実(リアル)を考える短期集中連載の第2回のテーマは、「確認」の重要性だ。

できることに集中するため

『クロカン』第6巻10話「出発点」より
『クロカン』第6巻10話「出発点」より【(C)Norifusa Mita/Cork】
『クロカン』第6巻10話「出発点」より
『クロカン』第6巻10話「出発点」より【(C)Norifusa Mita/Cork】
『クロカン』第6巻10話「出発点」より
『クロカン』第6巻10話「出発点」より【(C)Norifusa Mita/Cork】

「確認!」


 鷲ノ森高校の選手たちは、プレー前に自らの頭を指差し、次に自分がするべきことを確認する。「クロカン」こと黒木竜次監督が公式戦未勝利の鷲ノ森高校に赴任したとき、選手たちに徹底させたのがこれだった。この行為について、黒木監督は選手たちにこう説明した。


「いいか! 常に頭を使え。常に考えてプレーのパターンを想定し、それに従って動くんだ! あらかじめ考え決めたこと以外のことは絶対にするな! それ以外のことをしようとすると無理になる! 無理がミスになる! ミスで集中が切れる。それが大量失点になる」


 例えば、無死一塁で相手が送りバントをしてきた場合はどうするのか。黒木監督はこう指示した。


「ランナー、スッ転ばない限り、すべて一塁へ送球することだ! バントはとにかく打者走者を殺す。これを全員で意思統一しろ!」


 経験も実績もない選手たちに多くは求めない。その代わり、できることを確実にやる方に集中させる。実力以上のことをやろうとすると、必ずミスが起きるからだ。その選択肢は少ないほどいい。選択肢が多いと、迷いが生まれるからだ。“ここ一番”の緊張する場面で、冷静な判断をするのは経験がある選手でも難しい。

田尻賢誉

スポーツジャーナリスト。1975年12月31日、神戸市生まれ。学習院大卒業後、ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球の徹底した現場取材に定評がある。『智弁和歌山・高嶋仁のセオリー』、『高校野球監督の名言』シリーズ(ベースボール・マガジン社刊)ほか著書多数。講演活動も行っている。「甲子園に近づくメルマガ」を好評配信中。

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