リーチ主将が語る日本代表への思い 「日本はラグビーで僕を育ててくれた」
W杯に向けて身につけた「世界一のフィットネス」
W杯本番まで残り5試合、開幕まで50日を切った。リーチにとっては2度目のW杯を迎える。「前回大会は、個人的には全部出し切りました。ただチームとしては走り込みや戦術理解といった部分では『もっとこうやればよかった』と思うことがありました」。だが、現在の日本代表は戦術理解も深まり、フィジカルを高め、「世界一のフィットネス」(リーチ)も身につけた。
日本代表の主将就任で悩んだことも
それまでも、外国人選手に国歌を教えるなど、日本人選手と外国人選手の橋渡しを積極的に行っていた(ラグビーでは3年居住や祖父母、または両親のいずれかがその国出身者などの条件をクリアすれば、代表選手になれる)。リーチも15歳で来日し、札幌山の手高校、東海大学を卒業し、大学2年で日本代表に初選出。ただ、それでもNZ国籍時はトップリーグでは「外国人」扱いだった。「日本代表で、日本の高校と大学を卒業しているのに、なんで?」と疑問を呈したこともあった。そのまま日本代表でプレーするには何ら問題もなかったが、悩んだ末に、日本国籍を取得した。
「昔から外国人選手がいるのが、トータルの日本のラグビー文化です。(トップリーグのオフ期間に)日本代表に来なくても給料がもらえて、グアムとかに行って休めます。そんな中で、みんな日本とそれぞれつながりがあって、家族との時間を犠牲にし、必死に頑張っています。ラグビーを知らない人にわかってもらうことは難しいと思うけど、日本代表を強くしたい思いがあってプレーしている」と、NZ国籍だった自分を重ねながら、率直な思いを語ってくれた。
「南アフリカ代表との対戦も怖くない」
日本国籍の取得後も、桜のエンブレムに対するプライドは「昔も今も変わらない」。リーチはまっすぐ記者の目を見て「NZで国を代表するように選手になれなかった。日本はラグビーで僕を育ててくれた国ですから」と力強く語った。
日本、NZと両国に恩返しをするためにも、スーパーラグビーで大きく成長して戻って来たスキッパーは、W杯で誰よりも体を張って日本代表の勝利に向かって邁進する。