船木誠勝がWRESTLE-1退団を発表「勝負するのであれば今しかない」

WRESTLE−1

船木はフリー、TAJIRIもスポット参戦に

WRESTLE-1退団を発表した船木誠勝(左)と同席した武藤敬司社長 【写真提供:WRESTLE−1】

 19日、都内GSPメディアセンターで、武藤敬司、船木誠勝が記者会見を行った。その中で船木が契約を満了し退団すること、TAJIRIが限定出場のスポット参戦となることが武藤社長から報告された。

武藤 この度、船木選手が6月30日をもって契約が満了し退団することになりました。WRESTLE−1の選手としては、明日(20日)千葉の富津が最後の試合となります。旗揚げ当初から、一番先頭を切って頑張ってくれた船木選手には、まぁ俺個人的には悲しい部分もあるのですけど、非常に感謝しております。今後の活躍を本当にお祈りしています。それとですね、TAJIRI選手が実は鍼灸の免許を取得していまして。彼の目標である鍼灸師として海外に行きたいというものがありまして。7月以降は限定出場、スポット参戦っていうのかな? スポット参戦ということになりました。以上です。

船木 2015年の契約更改、会社と話を持ちまして。契約の条件の折り合いがつかなくて今回退団という事になりました。全日本プロレス時代から数えると6年間ですね。武藤さんはじめ、選手のみんな、スタッフの皆さん、全日本プロレス時代のファンとWRESTLE−1時代のファンの人達、本当にお世話になりました。今後はフリーとして活動していきます。ちょうど自分がプロレスに復帰したのが今から6年前の2009年ですね。まだまだ幸い身体も元気なのでこれから先は本来の自分に戻って、2009年からの続きをやっていきたいと思います。これからも応援、よろしくお願い致します。以上です。

プロレス復帰した2009年からの続きをやっていきたい

――契約条件の折り合いがつかずということですが、お話しできる範囲でどういった部分の折り合いがつかなかったのでしょうか?

船木 全てですね。大幅に今回変更したと思いますので。自分も今年30周年なので勝負をするのであれば50までにだと思っていまして。50からだんだん本当に衰えていくと先輩たちみんなが言っていますので。これを機会にもう一回フリーになって勝負。さっきも言ったようにプロレス復帰した2009年からの続き。やっぱりまだ戦っていない選手とかたくさんいますので。あと何年出来るか本当にわからないので。その対戦カードが残っていれば、それを全部終えてから終わりたいな、という気持ちがありますので、今回こういった形になりました。

――全日本時代に武藤選手に誘われてプロレスに戻ってきた経緯があるとは思いますが、決断には時間がかかったのでしょうか?

船木 そうですね。正直言うと2年前ですね。全日本と分裂した時に、「このままやっていていいのかな?」と思ったこともあったんですけど、ただあの当時、武藤さんが「これが最後だから」って言ってくれたのでもうひと踏ん張りしようかなと。で1年、2年経って、若い選手が沢山増えてきましたので世代交代という意味でも今が一番潮時かな、と。昨日のイケメンを見ていても、彼一人いるだけでWRESTLE−1はこれから新しく作っていけると確信しましたので。ちょうど自分、半年彼と練習やってきましたけど、鍛え方は教えましたので。あとは本人の努力次第なので。あれだけ人気ありますから。彼のようなエース、スター、一人だけでもいるということはこの団体は続くと思います。安心して出ていけます。

――WRESTLE−1にフリーで上がるということはあるのでしょうか?

船木 それは話はあったんですけど、イメージというか退団したのにまだ続けて出るというのは自分自身なんとなくですけどキリがないというか。当分は多分WRESTLE−1に出ないと思います。ただ先の話っていうのは全く分かりませんので。絶対上がらないとは言いきれないですけど、当面はないですね。自分にとっても都合のいい話だと思いますし。TAJIRI選手の悪口を言うわけではないんですけど、限定っていうのはやっぱり毎日試合している選手は嫌うんですよね。まぁTAJIRI選手は、それはそれでTAJIRI選手のキャラクターなので。

武藤 俺も限定だよ(笑)。

船木 (笑)まぁそういう現場の声、たまにしか試合しないっていうのが一番嫌がれると思うので。自分はやるのであれば所属でと決めていましたので。

武藤 俺も嫌がられてるのかなぁ……(笑)。

50まであと4年、最後の挑戦を本当に踏ん張りたい

武藤は「陰ながら見させていただきますわ」と船木の再出発にエール 【写真提供:WRESTLE−1】

――これからフリーとして上がってみたい団体や対戦したい選手はいますか?

船木 たぶんいっぱいやってない選手がいると思うんですよ。全日本とWRESTLE−1で、6年の間では新日本プロレスの選手とZERO1の選手ぐらいしか記憶にないので。それ以外のプロレスラー日本にはまだたくさんいると思うので。ここから先は自分自身を大事にしながら厳選して相手をしていけたらな、と思います。やっぱり会社に所属していると窮屈というか。良い部分もあるんですけど、自由にはできませんでしたから。これから先は自由に最後の踏ん張りで。最後の挑戦を、限定で期限つけて。50まであと4年、本当に踏ん張りたいと思います。

――率直に、不安などはないですか?

船木 ないです。昨日も武藤さんに「どうすんの、これから?」ってずっと言われたんですけど、それ考えたら行動できないので。今までも自分は何かしらの分岐点で突然場所を変えて生きてきた人間なので。勝負するのであるならば今しかないな、と。不安は全くないです。倒されるのでも倒すのでも、自分自身強さというものにはまだまだ自信があるので。それを倒しに来る相手と戦って、倒れるのであればそれはそれで本望です。

――黒潮“イケメン”二郎選手との練習についても一区切りという事でしょうか?

船木 そうですね。本人たちにも言っていなかったんですけど、先週のあの公開練習が最後だと、自分の中で一つの区切りだと思ってやっていたんですけど……本人知っているんですかね?

武藤 知らないんじゃねぇの?

船木 じゃあこの記事を読んで初めて知ることになると思います。でも人生出会いがあれば必ず別れもあるので。別れるんであれば早い方が傷も浅いと思います。で、昨日あれだけ武藤さんとすごい試合したので、あれをバネに個人で。黒潮“イケメン”二郎個人として頑張って欲しいと思います。本当にアイツがスランプになった時には、もしかしたら助けに来るかもしれないです。

武藤 昨日実はセコンドにつくかと思っていたんだよね、つかなかったけど。

船木 あえて突き放しました。だけど昨日のあの試合は本当にすごかったですね。武藤さん、WRESTLE−1の頂点と今一番人気のある若手ナンバーワンの戦いが見れたので。お客さんもあれが一番燃えたんじゃないですかね。自分も見てて楽しかったです。

――今後のWRESTLE−1に期待していることやどういった団体になってほしいなどはありますか?

船木 そうですね、ちょうど自分とTAJIRI選手がフェードアウトと言いますか。なので武藤さん一本。本当にネームバリューのある選手。武藤さんを中心、頂点にして本当にピラミッドができるんじゃないかと。で、高木CEOもきて。高木CEOと最近ちょこちょこ話をするんですよ、やめるんですけど。心配なので。で、なんかプロレス界には珍しい頭が柔らかい柔軟な方だと感じました。興行の形態とか、内容についてもこれからいろいろ手を加えて再生すると言っていましたので。それは期待してもらっていいと思います。若い選手も多いですし、何よりイケメンっていうスターもできあがっていますので。ここからが本当の勝負だと思います。

――武藤選手は先ほどさみしさも感じているとおっしゃっていましたが、実際にはどのようなお気持ちでしょうか?

武藤 まぁさみしさはあるけど、先ほど船木選手が言っていた通り出会いもあれば人っていうのは別れも絶対ある訳であって。陰ながら見させていただきますわ。

――船木選手は退団されて、TAJIRI選手はスポットという形になりますが、武藤選手としては不安は感じていますか?

武藤 まぁよく考えたらやっぱり肉体と一緒で、新陳代謝っていうのが行われた方が良いわけですから。イケメンとかもかなり影響受けているとは思うけど、今度はいない訳だから。またそれはそれで欲が出て来ると思うし。イケメンだけじゃないもんな。アンディ・ウーとか中之上とかも指導している。個人的に特別指導していたような節があるからね。そいつらにも影響っていうのは残っているはずですから。いなくなっても学んだことはきっと役に立って、彼らのプロレス人生の足しになってくれればと思っています。
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